風の囁き 妻は、くノ一 4 (角川文庫) (詳細)
風野 真知雄(著)
「今後が楽しみ」「あぁぁぁ童貫がぁぁ」「宿命のライバル,ついに雌雄を決す。」「一つの終着点」「童貫戦ついに決着」
血涙(上) (PHP文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「美しく切ない物語」「やっぱり北方作品は凄いです」「評価の分かれる一冊では?」
血涙(下) (PHP文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「一気読みです」「吹毛剣は楊家を守るのか?」
水の城―いまだ落城せず (祥伝社文庫) (詳細)
風野 真知雄(著)
「石田三成の存在感」「読みやすい作品です」「薄口だが満足な読後感」「物語としてまとまっている」「なるほどこれも面白い」
「着想には感心しましたが...」「「桶狭間の戦い」の常識を打ち破る、必読の一冊。」
前巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) (詳細)
京極 夏彦(著)
楊家将〈下〉 (PHP文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「男たちの「滅びの美学」」「最後の戦いの緊張感、迫力は凄い」「楊家の漢たち」「いっきに読みきりました」「楊家の人々」
楊家将〈上〉 (PHP文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「楊家」「心に染み入る漢たちの生き様」「「男はこう生きねば!」と雄々しい気持ちにさせられる小説」「人間ドラマとしても楽しめます。」「報われない軍人だが、誇りに殉ずる姿に感動」
三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫) (詳細)
北方 謙三(著)
「王覇論議は無用」「雪原に散った英傑の雄姿」「感動しました。」「関羽の死に様に注目」
・「今後が楽しみ」
「水滸伝」(単行本)からのファンです。ただ、過去のエピソードの記憶が曖昧になっていて、「楊令伝」を100%楽しめないのが残念です(「水滸伝」を文庫で読み直すことを検討中)。本書では、童貫はじめ登場人物を死なせ過ぎではないか、と心配になりましたが、後半、日本がらみで今後の展開を大きく期待させてくれるくだりがあり、今後が楽しみになりました。
・「あぁぁぁ童貫がぁぁ」
敵役なのですよ、明らかに童貫は。しかも原作から言うとひどい人物で。でもなんだか逝って欲しくなかった敵役No.1かも。林沖とか花栄とかの戦死のときほどショックはありませんでしたけど、これからどうしたらいいんだろうという喪失感は、私にとっては水滸伝‐楊令伝を通じて最大です。
ただ童貫戦後をだらだら書くと蛇足になってしまわないかと心配ではあります。童貫を倒す戦いをこの巻の90%くらい使って、残り10%で後日譚をさらっと流してお終い。ってことになるんじゃないかと思っていたのですが。
・「宿命のライバル,ついに雌雄を決す。」
ついに激突する梁山泊軍と宋禁軍。 各部隊が肉弾戦を繰り広げる中、楊令と童貫はひたすらその時を待つ。 麾下の部隊が消耗しようとも、互いに見ているのは相手の動きだけだ。 戦の喧騒から隔絶したかに見える二人の間に、潮が満ちるようにその時が訪れる。
戦いを描いて迫真の筆を見せる著者が、いくさの後の民生や政治まで描いてゆく。 まさに北方ワールドというべきか。
・「一つの終着点」
水滸伝から続く、長きにわたる死闘がついに決着!
依然最強を誇る憧貫に苦戦する梁山泊軍で、楊令から史進への、一度きりの、たった一言の伝令が発せられます。
水滸伝ファンなら誰もが痺れてしまうこのシーンより、最終的な決着にいたるまでの数十ページはまさしく手に汗握る展開です。
軍としての対決は一旦終結し、金軍の南下、岳飛の活躍、梁山泊の今後など、物語は広く展開していきます。それはそれで楽しみですが、正直この後どんなふうに物語が進んでいくのか、自分には検討がつきません。
・「童貫戦ついに決着」
対童貫戦がついに決着。ある瞬間から甕が壊れるように、一気に結末へとなだれ込んでいく。その数行にこめられた作者、そして読者の思い。打ち震えるような気持ちで読んでいただきたい。
・「美しく切ない物語」
「楊家将」(上下巻)に続く楊家の大河ストーリーの続編、「水滸伝」、「楊令伝」にさかのぼる楊家の物語です。前作「楊家将」は楊業とその息子達(全員ではありませんが)の非業の死をもって終わりました。悲劇ではあっても戦いに活きた男のストーリーは清々しくもあったのですが、本作はあまりに複雑に人間関係が錯綜します。石幻果と耶律休哥。楊家の生き残りである六郎と七郎。単純に宋対遼という国家の下で戦うシンプルな構図にはなりません。突出した戦闘力を持つ軍団を指揮する武将達の複雑な構図が美しく、切なく描かれています。
楊令伝の後半もだんだんと爽快感が薄れていきますが、リアルな現実を描き始めればそれは当然のこと。本作もいわゆる名将の戦記ものからは程遠く、登場人物たちの苦悩はまさに「血涙」というタイトルが示している通りです。北方歴史小説の中では若干異質な位置付けの作品だと思いました。
・「やっぱり北方作品は凄いです」
「楊家将」という中国屈指の戦記物を北方謙三がアレンジした前作「楊家将」の後日談というか、正式続編。今回も上下二巻組です。 前作もそうですが、戦記物ですから当然のごとく戦争と軍事、武将達のマッチョな戦いのお話なんですが、「誇り」「プライド」「意地」「最強への強き想い」がものすごいウェイトで全ページ展開されるので、そういうのが苦手な人は絶対に厳しい仕上がりです。でも、こういうのが好きな人にとってはたまらないお話です。 特にこのシリーズの主人公達の「楊家」の人々は政治体制がどうとか国の行方というものよりも武人としての自分たちがどうなのか、最強なのか、どれだけ極められるかが大事なので、戦記物ながら野望や権謀術作にまみれない主人公たちが読めるのもよいのではないでしょうか。 戦国無双とかなみの、まさに超雲や関羽なみの一騎当千の武将達が兄弟でいて、しかもそれらが全員熱い。こういう作品も珍しいと思います。さて、本筋紹介に戻って、この「血涙」では前作のラスト(結果的に前作のネタバレになってしまいますが)からあと、つまりは楊家軍が宋の重鎮の裏切りで全滅して一族がちりぢりになってしまった後の、復活と戦いの物語です。 あいかわらずも延々と続く、宋と遼の戦い。 その戦いの中で、いつも一番厳しい局面で投入される楊家軍。 復活したあともそれは全く変わりません。しかも、最大の敵である遼の独立部隊の「耶律休哥軍」にいる客将的な「石幻果」という強敵は、どうやら記憶を失った楊兄弟の四男であるらしい。敵味方に別れて戦うことになった両者の苦悩と、その四男・四郎と遼の皇帝の叔母との悲恋。なかなかに読ませます。 面白くて上巻一気読みです。
・「評価の分かれる一冊では?」
水滸伝を読んで感動し、楊家将、血涙と手を伸ばしたのですが、読み終えて少し複雑な気持ちです。というのも、楊家将では楊業という偉大なキャラクターが中心に座っていて、水滸伝とはまた違った楽しみを見出せたのですが、血涙ではその子供たちのキャラクターが父ほどには魅力的に感じられなかったことに加えて、軍の描写にも(やはり騎馬の対決が多いので)少し飽きがきてしまった感じがします。ストーリーもまさに題名どおり、楊家にとっては悲劇的な結末が待っていて、とても虚しい気持ちになります。楊家に感情を入れて読んでいる人は、なんとも悔しい?ようなやりきれない思いをもつのではないでしょうか?ストーリーはしっかり仕上がっているため、作品としての完成度は高いと思うので、あとは読む方次第・・・・といったところではないでしょうか?
・「一気読みです」
『楊家将』がすごく面白かったので、つづけて『血涙』上・下を買ってがっつり読みました。文治国家・宋で軍閥楊家の存続を模索する六郎、苦悩の末に家族を得る石幻果・・・政治の面白さや家族のドラマと重層的な面白さです。『水滸伝』や『三国志』は長くてちょっと・・・という方、ぜひどうぞ。
・「吹毛剣は楊家を守るのか?」
楊家将から続く楊家の戦いのドラマもいよいよ完結。下巻は軍と軍の戦いの中も含め「個」の戦いに焦点があたっています。
出自を悟る石幻果の苦悩とそれに向かい合う耶律休哥の父性。楊家にとっては既に亡い者同士の戦い。石幻果、耶律休哥、楊六郎、楊七郎の戦いの中で、紙一重のところで勝敗を分けるのは「吹毛剣」。楊業が魂を込めて鍛えた剣が楊家の血にどのような力を及ぼすのか。
エピローグは、古今東西の小説の中でも特筆モノの美しさと切なさです。
・「石田三成の存在感」
本書の主人公は武蔵国忍城代の成田長親であれば、裏の主人公は石田三成だと思います。世に言う「小田原評定」の裏側で苦労し、秀吉の真似をして水攻までする石田三成とそれを飄々と受け流す長親の我慢比べでもあります。歴史に「もし」があり、実際に石田三成が忍城を水攻めで簡単に堕としていたら、後年、秀吉は三成を疎んじていたかもしれません。もしそうなら、福島正則や加藤清正達が関が原の戦いで当然に西軍についていたと思われますので、歴史は大きく変わっていたかもしれません。歴史のターニングポイントに大きな役割を果たした忍城。私は本書を読むまで埼玉の行田市にこのような城があることも知りませんでした。今度、是非行ってみたいと思います。
・「読みやすい作品です」
忍城攻防戦です。
城にいる目ぼしい若い人間は皆、城主の成田氏長と共に小田原城へと出払ってしまい、残された者は主人公の長親のような凡庸な者や老人、男勝りで向こう見ずな姫、そしてごく普通の百姓といった、物の役に立ちそうにない頼りない人間のみだが、石田三成率いる大軍の猛攻をあらゆる手を尽くして防ぎきる。
守備勢には一騎当千の猛将も頼れる軍師もいないが、地形や罠を利用して明らかな劣勢でも力をあわせて立ち向かってゆき、その戦い方や残された人間の活躍の仕方、またその戦果という点で大袈裟過ぎず、納得がゆき易いもので好感は持てます。
終盤で、じゃじゃ馬娘の甲斐姫がある戦国人気武将の一人と対峙してその強さと人間性に触れて恋に落ちる、などという展開があり読む人によっては流石にやりすぎに感じそうなものではありますが、しかし、姫とその周りを固める爺や達とのやりとりはコミカルなもので読んでいて楽しいので多少の展開の強引さには目くじらを立てずにご愛嬌と思って読み進めるのが健全な楽しみ方なのだと思われます。
取っ付き易く、気軽に読める娯楽作品、唯それだけです。
・「薄口だが満足な読後感」
最初、評判の『のぼうの城』を買おうと思い覗いたレビューに
・「物語としてまとまっている」
かっちりとまとまった文章で、書き方も洗練されているように思った。歴史小説ファンは怒るかもしれないけれど、魅力的な作品であることに変わりはない。 和田竜『のぼうの城』と比べてみると、それぞれの作家から個性が感じられて一層楽しめる。
・「なるほどこれも面白い」
「のぼうの城」と同じ題材を扱っているということで、読み比べてみた。なるほどこれも面白い。全体としてこちらの方が文章がうまく、語彙が豊富である。構成も錬られていて、ぜんたいがまとまった、非常にオーソドックスな歴史小説である。ただ、「のぼうの城」との比較では、キャラクターの個性に力強さがなく、これを単独で読むと、印象は薄いかもしれない。面白くなかったというのではない。現に、同じ作家の別のものをこの後すぐに読み始めた。これもなかなかよいのだ。どの作品も一定のレベルに達しており非常に安定感がある。
・「着想には感心しましたが...」
一番の見せ場である<桶狭間>に至るまでに、ハラハラドキドキ手に汗握る、武将同士の駆け引きにワクワクすると言う事も無く、(義元も、信長も馬鹿で)意外とあっさりと終わってしまったので、全体に山場が無い(低い山場はあるが...)と感じてしまい、のめりこんでまでは、私自身はあまり楽しめませんでした。信長の凡庸ぶりも、中途半端な感じで、<桶狭間>以後よく生き延びたものだと違和感感じます。どうせならモット突き抜けさせた方が、それなりに納得出来たでしょうが。著者の<秀吉の枷>が余りに面白かったので、以後も読み続けていますが(忠臣蔵だけは読んでいません。)、面白さも、ちょっと下降気味というのが私の感想です。
・「「桶狭間の戦い」の常識を打ち破る、必読の一冊。」
戦術の妙が最も光るのは、寡兵をもって大軍を破ったとき。 世間の評判も芳しい。 しかし、歴史は常に勝者のもの。
さて、実際のところ、桶狭間で何があったのか? そして、何がなかったのか? 「兵は詭道」というとおり、本書は今に伝えられる「桶狭間の戦い」を検証し、今川義元の姦計、秀吉の謀略、松平元康(後の家康)の深謀遠慮をあぶり出す。
全278ページ。 秀吉の出自にも迫る、一気に読める戦国ミステリー第3弾!
・「男たちの「滅びの美学」」
中国では京劇やTVドラマの定番として「三国志」や「水滸伝」に匹敵するほど有名だが、日本では全く知られていなかった歴史浪漫「楊家将演技」を北方謙三が大胆に翻案、原作の妖術・仙術色を払拭して血生臭くも骨太な大河小説として現代に再生させた。従容として死地に赴く男たちの覺悟は哀切を誘う。
舞台は10世紀末のシナ。宋に帰順した名将・楊業は最前線である代州に配置され、中原を狙う遼と対峙していた。精強な騎馬兵を擁する遊牧民族国家たる遼に対抗すべく、息子たちと共に兵を鍛え上げる楊業は、卓越した指揮によって何度も遼軍を打ち負かす。苦戦する遼は白き狼と呼ばれる堯将・耶律休哥を起用し、楊家にぶつける。楊業は前方の遼軍と戦う一方、戦争に無理解な文官や楊業の軍功に嫉妬する宋生え抜きの将軍たちといった後方の味方に煩わされ、思うように兵を動かすことができない。それでも根っからの軍人である楊業は黙々と眼前の敵を破っていく。凡将と弱兵ばかりの文治国家・宋にあって、楊一族は文字通りの孤軍奮闘を強いられていた。
そして宋の皇帝・太宗が兄・太祖以来の悲願である燕雲十六州の奪回を目指し、ついに親征の軍を起こす。いよいよ運命の決戦が行われようとしていた・・・・・・
緻密な戦略・戦術が駆使されるリアルな合戦模様はまさに血湧き肉躍る、というやつだ。多くの人物を登場させつつも、1人1人の個性を丁寧に描き、内面を浮き彫りにすることに成功している。北方の無駄を削ぎ落とした簡潔な文章が、茫漠とした荒野で馬を疾駆させる無骨な男たちの不器用な生き方に良く合致しており、魅力的である。真骨頂は、主要人物が死んでいくシーンで、実に淡々と描かれる。過度なドラマ性を排すことで、かえって悲劇性が増し、言いようのない寂寥感と、見事な死に様が強調されるのである。この辺りはハードボイルド出身ならではの手腕と言えよう。
・「最後の戦いの緊張感、迫力は凄い」
夢中になってしまい、一気に読み終えました!
宋と僚、それぞれ最終決戦に向けての準備、進軍を進める中、宋にはどんどん不安要素が出てきます。
その不安要素を拭いきれぬまま、迎えた最終決戦。劣勢の中、奮闘する楊業とその息子たちの勇敢さ、心意気には心が震えました。
特に最後の戦いの迫力。
「どちらが勝つのか!?」
小説を読んで、ここまでドキドキする事はなかなかありませんでした。たまたま図書館で手に取った小説なのですが、本当に読んでよかったです。
続編(血涙)があるようで、これも読まずにはいられないですね。楽しみです。
・「楊家の漢たち」
宋と遼を舞台にした歴史小説ですが、それぞれの国について詳しく書かれているというものではなく、両国の戦争にスポットが当てられています。
戦いの中でライバルを意識し、男を磨いていく姿が一途で美しいです。
歴史という点での記述は少ないので舞台はどこでもよいという印象も受けますが楊家の漢たちは、みんな魅力的です。
・「いっきに読みきりました」
戦(いくさ)がメインになりますので、展開も速くいっきに読んでしまいました。ラストの壮絶なバトルは必見です。
・「楊家の人々」
上巻、そして下巻。読めば読むほどに楊家の人々が大好きになっていき、最後には共に怒り、共に泣く。…くらいの大ファンになっていました!北方氏の歴史物大作「三国志」や「水滸伝」ほどのヴォリュームはありませんが、内容にはそれを超える濃さがあると思います。
私が、この本を特にお勧めしたいのは女性です。北方氏の他の作品はどうも女卑の傾向が強いように思いますが(書いている時代が時代なので仕方がないのでしょうか)、この楊家将には本当に素敵な女性がたくさん登場します。そう言う点では女性にも親しみやすい北方作品なのではないでしょうか。
・「楊家」
北方三国志を読破し衝撃を受けたので次は水滸伝を…と思った時に,水滸伝より少し昔の話で楊家将というものがあると聞き,本作を購入。買って間違いありませんでした。三国志と違い本作の知識は全くなく,登場人物なんて一人も知らなかったので心配でしたが,そんなこと関係ありませんでした。本当に面白い。非常に読みやすく感動します。特に戦争のシーンはハラハラドキドキ…まるで自分が戦場にいるかのような錯覚に陥ります。それくらい素晴らしい描写で執筆されてます。上下巻ありますがすぐに読破しました。本当最高でした。北方ファンはもちろん,歴史に興味ある方や何か文庫読みたいけど何読もうか…と悩んでる方は是非手に取って読んでみてください!
・「心に染み入る漢たちの生き様」
水滸伝、陽令伝など中国の宗王朝の前後の北方氏の小説は抜群に面白い。ぐいぐい引っ張っぱって一気に読ませる文書力は私の好きな大沢在昌氏と双璧だとおもいます。 陽家という北漢の軍閥の一族が家の存続と誇りをかけて宗と遼と間で立ち回る様は痛快であると同時に私たちに深い感動を与えてくれます。無敵の陽業が宗の思惑に振り回されながらも、家族と家の存続をかけてさまざまな敵を打ち倒し、困難を克服してゆきますが、最後には壮絶な結末が・・・・。 北方氏の描き出す人間は善悪という軸ではなく、すべてが自らの存在をかけてぎりぎりのところで生きていることが私たちを夢中にする理由でしょうか?
・「「男はこう生きねば!」と雄々しい気持ちにさせられる小説」
日本では全く知られていない「楊家将」だが、中国では「三国志」「水滸伝」と並び民衆から絶大な人気を博している物語。ただ原典(楊家将演義)の出来がイマイチなため、中国では文学というより京劇の人気演目と位置づけられている。さてこの“北方版”楊家将。宋の軍人として戦いに散った楊業一族を主役に据えた以外はほぼ原典から逸脱、その点では張飛を妻帯させるなどした北方版「三国志」同様、掟破りの北方ワールドが炸裂している。という訳で、本作を読んだだけで中国人と「楊家将」を論じたりすると、話が噛み合わないから要注意。絶対的に頼れる武将の父親と個性豊かな七人の息子、一族を取り巻く一癖も二癖もある武官・文官、さらには敵国の武将に至るまで全てのキャラがしっかりと立っており、「そうだ、男はこう生きねば」と雄々しい気持ちにさせられてしまう小説だ。
・「人間ドラマとしても楽しめます。」
楊家の武将(楊業とその息子達)の戦いが描かれた物語。
・「報われない軍人だが、誇りに殉ずる姿に感動」
「水滸伝」の時代から百年くらい昔。 再び中国が群雄割拠の時代になっていた時代の終わり頃、中国には、北の巨大国家・遼、中原を支配する宋、そしてその間に挟まれた北漢の三つの国がありました。この中で一番小さく、二大国に挟まれていたのが北漢で、その中で国の独立を守るために最強の軍隊を養っていたのが将軍の楊業ひきいる楊家軍でした。 楊家軍は父である楊業を筆頭に七人の息子たちがそれぞれ一軍を率いる武将となり、圧倒的な戦闘力を誇り、その強さは全土を見渡しても匹敵するものがないとまで言われていました。しかし、力のありすぎる事が北漢の宮廷の反発と猜疑心を生み、いつも戦闘では厳しいところにまわされ、平時の扱いもいいものではありませんでした。いつか力を帝に向けるのではないかという恐れからの扱いでした。しかし、それでも楊業は一武人として軍人は戦をするだけで政治に口を挟まないことをよしとして命じられた戦いだけをもくもくとこなしていました。 その彼らに転機をもたらしたのは、宋の帝の親征でした。国防のために、圧倒的に少ない陣容で彼らに正面からぶつかりながら補給が受けられず援軍もこない楊家軍。ここに目をつけた宋の帝がからめ手でせめてきます。これに乗ってしまった北漢の帝はついに自らの切り札である楊業の首を取ることを決意、罠で楊業を追い込みます。ことここにいたって、楊家軍は北漢に残ることを断念。宋に帰順します。これにより戦況は一転。北漢は宋に滅亡させられます。 しかし、これは宋と遼の激しい戦いの始まりに過ぎなかったのです。。 ということで、楊業とその息子達の激しい戦いを描いた楊家将。 これ、中国では三国志や水滸伝と並んで、「水戸黄門」くらい誰でも知っている英雄物語らしいのですが、自分にとっては初めて知る物語でした。一族全員が武将として達人の域で個人戦や用兵戦までやってしまうという無茶苦茶さ。でも、それがある程度史実だというからさすがに中国は広いというしかありません。その彼らが、外様としてついた宋の文官や武官の対立に巻き込まれながらも、今度は遼との戦闘で前面に立つのですから、さらに激しい戦いにならないわけはありません。あとは読んでのお楽しみですが、とにかく熱い物語です。
・「王覇論議は無用」
13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。
これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。
いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。
しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。
吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。
・「雪原に散った英傑の雄姿」
関羽が死んだ。 今まさに、劉備が宿敵曹操と肩を並べようとしている飛躍のときに。
完璧であったはずの孔明の戦略。 関羽が都に圧力をかけ、その間に雍州、涼州を奪れるはずであった。
しかし、完璧であったことこそが、唯一にして最大の弱点。非凡な才を持つものには見えない、信義に厚いものには考えつかない、人の弱さと愚かさ。 曹操ですら読めなかったその隙を見事についた司馬懿。同盟国の裏切り、自軍の裏切り、失くした拠点、使い物にならなくされた城。残酷すぎる罠が関羽を追い詰める。
桃園より駆けに駆け、雌伏のときを耐えてきた関羽。 北方謙三の筆により、見事に描かれた関羽の最後です。
・「感動しました。」
三国志の小説はいろいろな人が書いていますが、中でも北方三国志は秀逸だと思います。歴史そのものよりも、個人の感情に焦点を当てるところが気に入っています。最後の関羽が死ぬところでは、筋書きを知っているのにもかかわらず、不覚にも号泣してしまいました。三国志初心者の人でも、この小説なら入りやすいのでは。
・「関羽の死に様に注目」
義兄劉備と共にもう一度闘いたかった…。何人かで大きな夢を目指す時にはこういったケースがたくさんあると思う。あれだけ強かった関羽にもそう思うときがあったのか…。ちょっと新鮮な解釈かなと思う。
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