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交渉人は諦めない (SHYノベルス)交渉人は諦めない (SHYノベルス) (詳細)
榎田 尤利(著), 奈良 千春(イラスト)

「一気読みさせる作品です」「気合いが入りすぎたか・・・」「何度か読み返しました」「大変高い評価ですが・・・?」「期待通り!だけど!!」


交渉人は嵌められる (SHYノベルス)交渉人は嵌められる (SHYノベルス) (詳細)
榎田 尤利(著), 奈良 千春(イラスト)

「挿絵が残念」「シリーズで長く読めると思っていただけにがっかり」「5つじゃ足りない!★★★★★★★星7つの傑作」「あれれ…」「自分の作品を大切にしてください」


思考の整理学 (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫) (詳細)
外山 滋比古(著)

「余裕のある年長者からの思考の手ほどき」「"もっと若い時に読んでいれば・・・”そう思わずにはいられませんでした」「思索のコツ」「いまだに色あせない「古典化された」本」「読む目的によって評価が分かれる。」


星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの (創元SF文庫) (詳細)
ジェイムズ・P・ホーガン(著), 池 央耿(翻訳)

「’77年発表の現代ハードSF記念碑的ベスト&ロングセラー」「なぜここまで高評価?」「物理学よりは生物学」「哀悼。画期的な傑作をありがとう。」「良質のミステリー」


のんのんばあとオレ (ちくま文庫)のんのんばあとオレ (ちくま文庫) (詳細)
水木 しげる(著)

「自伝エッセイ」「生活から暗闇が無くなった今だからこそ」「国宝。」「保存用ですね」「ええ思い出をもらったな」


水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫) (詳細)
水木 しげる(著)

「やっぱり、水木しげるの戦記ものの描写は素晴らしい。」「絵が最高!」「社会的には変わっているが、人間の感覚としてはマトモ」「悲観せずに毎日を過ごす事」「教科書に載らない話」


悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)悪魔くん千年王国 (ちくま文庫) (詳細)
水木 しげる(著)

「貸本版は失敗作」「おもしろいとは言い難いが、いろいろ考えさせられる」「寛大な夢を一緒に!」「貸本版悪魔くんのリメイク」「そんなにすごいか?」


読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫) (詳細)
後藤武士(著)

「いい加減な知識で書かれた本である」「さらさらと読めて勉強になりました」「ビギナーの私では理解できなかった。」「お買い得」「電車の中で、軽く読み飛ばす」


ねぼけ人生 (ちくま文庫)ねぼけ人生 (ちくま文庫) (詳細)
水木 しげる(著)

「これはすばらしい本です。」「いいタイトルだ!」「自伝エッセイ集(新装版)」「自伝エッセイ集」「たぶん怒られるけどマンガより面白い」


河童の三平 (ちくま文庫)河童の三平 (ちくま文庫) (詳細)
水木 しげる(著)

「諦観」「朝ドラを見て」「名作を手軽に楽しめます(ちくま文庫)」「ことばにできない名作」「先生!水木先生!」


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▼クチコミ情報

交渉人は諦めない (SHYノベルス)

・「一気読みさせる作品です
芽吹の目の前で繰り広げられる兵頭の裏切り行為は読んでいていたたまれなかったです。

ただ、兵頭の芽吹への愛情が深いことは一連の前作から明らかでしたからあれは仕方ないのだ、絶対二人はよりを戻す、と確信していたので安心して読んでいました。それに、あそこまできついことがあったからこそ芽吹も兵頭に対する自分の気持ちに気がついたし、ラストの激しい情交につながったんだと思います。

ただ、どのように一件落着するのかが気になって終盤までどきどきしながら読み進めました。

正直に言うと、頭のいい詐欺師のはずなのに環はずいぶん簡単にボロを出したな、と拍子抜けしました。せめて「馬鹿な・・・・」のセリフを「え?」ぐらいに抑えておいていただき徐々に芽吹の口車に乗せられるようにしてほしかった。

しかし芽吹と兵頭を応援する身としては、なんとしてでも環を片づけてほしかたったので、とにかくほっとしましたけどね。それに環にこてんぱんにされかけていた芽吹が反撃しはじめたところはすごくかっこよかったです。

・「気合いが入りすぎたか・・・
う〜ん。榎田さん気合いが入り過ぎたか…。『振り返る』がよすぎたせいか、読むほうも期待度があがっていて。視点をはっきりさせないとことか、展開がちょっともったいぶり過ぎな気がしました。悪者さんも、もうひとおしくっきり嫌な奴にしていただけたら、ご都合主義な設定も納得できたかな…。もちろんエンターテイメントとしてはテンポもよく、ベッドシーンもエロく、水準が高いと思うんですが…。真摯に取り組まれる方なので、「最後の門弟」が今後どのように進まれるのか見ていきたい。こちらもよい読者になるよう真剣に読んでいきます。

・「何度か読み返しました
ネタばれになるかもしれませんが、1度読んだだけでは、どうしてもすっきりしなくて、何度か読み返しました。

兵頭の立場を考えると、あの選択は「しょうがない」のかもしれないけど、でもだからといって、あそこまでしてさんざん芽吹を傷つけて、よく戻ってこれたなと思ったのが最初の感想です。中盤のあれはあんまりだと思います。読み返すうちに、あれはまったく愛はなくて、浮気でもなく、本気でもなく、兵頭なりの「交渉術」?だったのかなと思うけど、ここまで納得するまで数日かかりました。

シリーズの最初のほうのラブラブ感が好きだっただけに、余計に。

シリーズを読み返すとしても、「嵌められる」と「諦めない」を読み返すのは覚悟がいるなあと思いました。

・「大変高い評価ですが・・・?
 期待して読んだのですが、あまり気持ちのすっきりしないお話でした。 自分の大事な物を守るために、あれだけ大切な人を傷つけていいのかな? 兵頭の気持ちが今ひとつ理解できないと言うか、そんなに好きではないんですかね?

 「間の契」のように相手の大切なものを守るために、自分を犠牲にするという方が、しっくりきます。  せっかくの恋愛ファンタジーが、私的には台無しです。  譲れないものも譲って欲しかったな〜。(まぁお互いか・・・)

・「期待通り!だけど!!
兵頭の芽吹に対する愛は絶対的な物、と前提があるので、上の嵌められるを読み終えても最終的には・・・と終わりが分かるが、榎田さんの作品はわかっていても、そこに行きつくまでのストーリーが素晴らしい。このシリーズを知って、本当に良かった。なんて。

残念でならないと感じてしまう唯一の「−☆」はやはり挿絵でしょうか・・・。若干絵に差が出るのは仕方のない事だけれど、ここまではっきりと変わってしまうと、作品と絵がバラバラに別れてしまってもったいなかったです。クールな兵頭カムバック・・・。

交渉人は諦めない (SHYノベルス) (詳細)

交渉人は嵌められる (SHYノベルス)

・「挿絵が残念
文章はとても面白いです。場面ごとの緊張感があり、退屈させずに最後まで読ませます。最終的に消化されていない伏線と出来過ぎた感はありますが、読んでいる間には、面白いとしか感じさせません。最後はいつの間にそんなメロメロに?と思いましたが・・・。

ただ、挿絵がひどすぎます。これは画風が変わったとかいう問題ではありません。画風がどうだろうと、場面に合った絵を書くべきです。せっかく著者が高めた緊張感を挿絵がぶち壊しています。作品の雰囲気を壊すような挿絵は無いほうが良いと私は思います。残念です。

・「シリーズで長く読めると思っていただけにがっかり
私は榎田さんと奈良さんのファンではありません。中立の立場の読者です。

まずシリーズでなければこの表紙では手に取らなかったですし、今回かなり抵抗がありました。中を見てもあまりの線の酷さに愕然とします。上手い下手以前に本当にこれがプロの仕事なのかと、このレベルで商業誌として世に出てしまう、BLジャンルの水準の低さに失望を覚えます。画風の変化というより質の劣化。挿絵があるために純粋に愉しめませんでした。

個人の好みはあるでしょうが、私は初期の頃の芽吹と兵頭の夫婦漫才的なやりとりが好きでした。そこに水を差す七五三野の存在も高得点をマークしていただけに、今回は残念でしかたありません。ハードなセックスなんてなくても、いちゃいちゃしている30過ぎのおっさんたちで十分。芽吹がどんどんただのおっさんから、BL的受になってしまって兵頭を受け入れることに抵抗がなくなっている。なにか違うなぁ…という違和感が拭えない(別に芽吹に純粋さを求めているという意味ではなく)。

重要なキーパーソンになっている環もぞんざいな扱いをされていて、全体の質が落ちています。とことん悪人で通すなら、とびっきり狡猾で魅惑的な詐欺師にして欲しかった。芽吹チームたちに華を持たせるためとはいえマヌケ過ぎです。同じ都合良く終わるラストなら、もっと水準の高いエンターテーメントが見たかったです。

・「5つじゃ足りない!★★★★★★★星7つの傑作
『嵌められる』『諦めない』合わせて8時間耐久一気読み。あ〜、面白かった!フィクションはこうでなくっちゃ、と思わせてくれる高品質な作品。大衆文学としての「面白さ」においては、昨今の直木賞作品よりも惹きつけられます。

・「あれれ…
待ちに待った交渉人シリーズ!!!だったのですが…

キヨなんか、前作と顔が全然違いますけど?なんでこんなことになってしまったのでしょうか残念でなりません

話は一応まとまっているもののつじつま合わせというか最後まで読みましたがすんなり納得できず消化不良です

栗の件もこじつけっぽいしやくざの事務所からUSBが盗まれた理由も犯人も出てきません普通は盗んだ犯人に落とし前つけるものでは???

全体的に榎田先生にしては中途ハンパだった気がしますもう少し構想すればもっと良い作品になったのに、と思うだけに残念です。。。

・「自分の作品を大切にしてください
10周年記念企画が先行したあらすじだけの気の毒な作品。

今までの作品が好き(前2作が好きで、3作めはややストーリー展開に無理があったもののなんとか我慢できる状態)でした。

この作品のよさは二人のほのぼのとした掛け合い?です。周囲の人々との人間関係も魅力です。

榎田作品のよさは細やかな心理描写、「夏の塩」「夏の子供」に見られる登場人物たちの生き生きとした心の動きをしみじみと伝える確かな人物設計・・・

編集さんももう少し時間をかけて話を練らせてあげられなかったのでしょうか。10周年のために用意された企画だから今出さなければならない事情があったのでしょうが、今までの作品のよさがまったくありません。

ストーリー展開も不自然で、今まで築いてきた人物のよさが死んでいます。ストーリーの不自然さ(例:USBメモリがそんなに大切なものなのか・・・その大切さがきちんと描かれていない)と、それにともなう心理描写の不可解さ・・・・この人だったらそんな選択はしないだろう、それは変だろうということの連続で読み進めるのに相当がまんが必要です。

しかし、過去の記憶があるので、どこかにのぞくかもしれないかつての作品の片鱗を探して最後まで読むことは読みました。ストーリー展開が不自然なので、正視できずに片目をつぶって読んだところもあるので、話の細部まで理解しているかと言われれば自信はありませんが。

過去の作品は楽しかったので、何度も読み返しましたが、みなさんも書いている挿絵のひどさともあいまって二度と読む気はおこりません。挿絵は見ないように心がけました。

作品は作家と編集さんが作るものですが、しかし読者のものでもあると思うのです。ご自身の作品を愛しているならば、読者を困らせるような、がっかりさせるような作品を世に出してほしくはありません。それは挿絵の方にも言いたいです。

レビューにはおもしろかったという意見が多く、これにも少しびっくりしました。今までのよさがないこの作品のどこがそんなに評価されるのか・・・・・

これから読まれる方がいたら覚悟して読むほうがいいと思います。そしてこのシリーズを今まで読んだことがなく、この作品が初めての方は、前の作品はこれとは全然違うユーモアに溢れた佳品ですので、ぜひそちらをお読みください。

交渉人は嵌められる (SHYノベルス) (詳細)

思考の整理学 (ちくま文庫)

・「余裕のある年長者からの思考の手ほどき
 読者に、無理のない思考の術を提示する一冊です。 学校教育でのお仕着せの「勉強」から、一歩進むべき時期の読者が対象です。本書の帯には、「2年連続!!東大・京大で1番売れた本※2008・2009年東京大学生協・京都大学生協調べ」とあるのはご愛嬌たが、納得できる。 言葉の選び方、論理展開、材料の選び方等々、余裕のある年長者からの思考の手ほどきといった趣の一冊です。

・「"もっと若い時に読んでいれば・・・”そう思わずにはいられませんでした
タイトルにも挙げたが、今度読めばいいでは遅い。今ですら遅すぎる。この本は早く読めば読むほど、生活の上で拠り所となる思考を身につけられる。

・「思索のコツ
東大・京大生の一番読んだ本という宣伝に惹かれて、一度読んでみました。思考をする上でのコツ・ノウハウみたいなものが、エッセイ風に書かれています。書かれている内容はいちいち最もで、うなづける話が多く、スムーズに読めます。さすがに、良書で、知的で良い本だと思いました。しかし、内容に毒気もなく。面白みもないかなと思いました。学生や、論文を書いたりする人には、一度読むと、参考になるのは間違いないとは思います。

・「いまだに色あせない「古典化された」本
本書は、主として、本書のタイトルにあるように「思考とは何か」、「思考を整理するとはどういうことか」について様々な観点から分析と主張を加えた、著者によるエッセイ集である。それぞれの分析は、およそ6ページ程度であり、全部で33の観点から、分かりやすく整理されて書かれている。

学校教育の「型にはまった教育」は真の学びにも、今後の社会生活においても繋がるものではなく、自律した創造性が重要であるということ、一次の情報を二次的・三次的にメタ化して抽象化していくことで思考の整理に繋がること、悪いことと目される傾向のある「忘れること」には思考の整理上の意義があること、考えは寝かせることによって淘汰されるということ、そしてそこで生き残った考えがその人にとって真に価値があること等、もう30年近く前に出版された本でありながら、いまだに色あせることのない、(著者のことばでいえば「古典化された」)本である。

書かれている文体は非常に読みやすいが、そこに込められているメッセージは深い。帯にも書かれているように、東大・京大の学生にも広く読まれていることで近年取り上げられることもある本である。

教師、研究者はじめ、大学で「真の学び」を始める学生には特に、深い示唆を与ええくれる本であろう。

・「読む目的によって評価が分かれる。
読む目的が大事。そう思います。

思考の整理方法、知識を付ける意味で良い本では あるのですが、主に卒業論文を書く大学生に 一番ピンとくる内容に感じられました。

論文の書き方や注意点。 そして、自ら学ぶ人間と、与えられたことを上手にこなす人間。 そんなことや思考について書かれています。

論文やレポートを書く方にオススメします。「東大京大で売れた!」ということだけを見て何も考えずに読む人には価値が無いかも。

思考の整理学 (ちくま文庫) (詳細)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

・「’77年発表の現代ハードSF記念碑的ベスト&ロングセラー
’77年発表、’80年創元SF文庫として邦訳され、現在に至るも版を重ね(ちなみに私が読んだのは「BOOK OFF」で手に入れた’08年74版)、さらにAmazonのレビュー数はこれを書いている時点で73を数え、そのうち63が☆5つという、まさに現代ハードSFの記念碑的ベスト&ロングセラー。毎年行われる日本SF大会の参加者の投票によって選ばれる「星雲賞」を’81年第12回海外長編部門で受賞している。

時は2028年、月面で真紅の宇宙服を着込んだ死体が発見された。<チャーリー>と名付けられたその死体は綿密な検査の結果、5万年前のものであることが分かり、ほとんど現代人と同じ生物で、はるかに進んだ科学技術を有していた。はたして<チャーリー>とは何者なのか・・・。

やがて今度は木星の衛星ガニメデで地球のものではない巨大な宇宙船の残骸が見つかる。その内部には人間とは似ても似つかない巨大な生物の死体が・・・。さらに調べるとそれは約2500万年前のものであることが分かった。

前者「ルナリアン」と後者「ガニメアン」と、そしてわれわれ人類との関係は・・・。国連宇宙軍を中心に、原子物理学者ハントと生物学者ダンチェッカーの分析と推論が始まるが、謎は謎を呼び、ひとつの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。

火星と木星の間に太古の昔存在した惑星「ミネルヴァ」。今は地球の惑星となっている月の歴史に関る大胆な仮説。進化論にもとづく人類と「ルナリアン」の由来。

本書は、「ガニメアン」の解明は続編の『ガニメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』にゆだねられているが、謎解きの興趣に満ちた、SF(サイエンス・フィクション)であり、一応は正統な理論にもとづいた「ルナリアン」と人類の関係が解き明かされる、その過程をパズラーのように楽しむ、ミステリーファンの私でも充分に納得のゆく傑作である。

・「なぜここまで高評価?
普通でした。まあよくできているな、という内容。宇宙や科学知識に突っ込みようは無いですが(というかそこまで知識ないのでできない)舞台劇を見ている感じですね。大きなイベントは特に無く、天才達が勝手に閃いて語っているのをハタから見ているだけ。

良くても☆4つぐらいかな〜とも思いましたが、不自然なほどの持ち上げにちょっと下げてしまいました。評価が高すぎて、期待しすぎた部分があったかもしれませんね。

・「物理学よりは生物学
ハードSFの代表作のように挙げられていたので敬遠していたのですが、ホーガン逝去を機会に手に取りました。ハードSFというカテゴライズをよく知らなかったのですが物理学が中心となった小難しいものに違いないと思い込んでいたのですが、中心となったのは生物学で、むしろ好きなジャンルの作品でした。原始人のミッシングリンク以外、ベースとなる現代科学の常識非常識を知らなかったのですが(例えばサンゴ礁の謎とか)、おそらくすべて科学的事実に基づいて書かれていると思います。その科学的観測的地球の謎的な事実を大胆に組み込んで、小惑星群・冥王星・月をつなぐ天体の謎を解決するのは圧巻です。事実に少しずつ肉薄しながら、ラストで衝撃的な真実を導き出すのは出来のいい推理小説以上の、鳥肌ものの面白さでした。長年読み継がれるのに相応しい傑作だと思います。

・「哀悼。画期的な傑作をありがとう。
「SF作家のジェイムズ・P・ホーガンが、現地時間(2010年)7月12日(月)、アイルランドの自宅で逝去しました。69歳でした。<東京創元社 お知らせ>」 衝撃だった。まだ若いのに。熱心なマニアとは言えないが、SFファンの一人として残念でならない。これを機会に、3部作の冒頭を飾る、デビュー作でもある本作を再読した。 月で太古の人類が発見されるという衝撃的な始まりから、木星の衛星ガニメデで巨人の宇宙船が発見されて深まる謎。それらの謎に立ち向かう科学者の集団。太陽系を舞台に、過去と現在との間で古典的進化論に基づく人類進化の立証、異星人の世界の分析、それらを支える最新の技術、そして何と言っても、謎解きそのものと終盤でそれがどういう決着をつけるかというワクワク感がたまらない。 インスタントコーヒーを試薬瓶に入れておくというような研究室ギャグにニヤリとしたり、自分でも分かるレベルから丁寧に語られる科学技術的な分析報告に興味は津々だ。さらに個性の溢れるメンバーに立ち向かうという、リーダーシップのケーススタディーのような局面での、主人公の的確な判断や行動、嫌みのない人間的な魅力にも惹かれる。 最初に読んだときと同じ興奮を味わうことが出来た。感心すればするほど残念さは募るばかりだ。 哀悼。

・「良質のミステリー
物語の導入部分に関しては、商品説明等で言い尽くされているので、今更紹介するまでもないでしょう。

この作品の魅力は、「彼」に関する謎の絶妙さです。一つの点に注目すれば「真相はこれ以外ありえない」と思われた解釈が、別の点に注目すると、どうしてもその解釈が成り立つわけがない、という怪奇。作品が進むにつれて提示されていく、説明できそうで説明できない、数多くの矛盾点。私を含め、多くの読者が、真相は何なのかと頭を捻った事でしょう。そういう点ではまさにミステリーで、どの時点で全ての矛盾点を解消する仮説を捻り出せるかを楽しんで見ると面白いかと思います。

これは本当に良質なミステリーで、最初に提示される不可解な点は1つしかないにも関わらず、それを解消するには、最後の最後まで解き明かさなければならないのです。逆に言えばそれゆえに、本当に素晴らしい推理力と想像力を持っていれば、ほとんど何のヒントもない最初の時点で、事の真相にかなり所まで肉薄できるようになっています。

私が完全解答ではないにせよ正解に辿り着いたのは209頁まで読んだ時点でしたが、相当鋭い人ならばもっと前、139頁時点で気づけたと思います。私も139頁は無理でも、149頁時点で3日間くらい考えれば真相に辿り着けたかもしれませんが、残念ながら頁をめくる手が止まりませんでして、ダンチェッカー教授に最後の満点を貰える解答はついに出せませんでした。

ソヴィエトという名前と、宇宙開発の未来に対する楽観的な認識が、この作品が書かれた時代を物語っていますが、それ以外に関しては全く古さを感じさせない素晴らしいSFです。SF入門者にもミステリー好きの方にも、お勧めしたい一冊です。

星を継ぐもの (創元SF文庫) (詳細)

のんのんばあとオレ (ちくま文庫)

・「自伝エッセイ
著者の幼年期〜就職の為大阪に出て来るまでの時代を綴った自伝エッセイ

・「生活から暗闇が無くなった今だからこそ
 昭和時代に生まれ育ったので、当然「ゲゲゲの鬼太郎」は主題歌も含め慣れ親しんでいましたが、今年のゴールデンウィーク、水木しげるさんの故郷である鳥取県に行き「水木しげる記念館」に立ち寄ったのは、たまたまでした。「ゲゲゲの女房」の視聴者である妹に何かお土産でも買おうと思い記念館に入ったのですが、そこで水木しげるさんの妖怪に対する強い思いに感銘を受けました。さらに、水木しげるさんが妖怪に興味を持ち始めた幼少期のことを描いた「のんのんばあとオレ」という漫画があり、しかもそれが国際的に評価を受けていることを知り、東京に帰りさっそく読んでみました。 のんのんばあは、私自身の祖母を思い出させる、慎ましやかで正直な昔の日本のおばあちゃんで、子ども時代の水木しげるさんに色々な妖怪の話をします。戦前の境港はきっと、当時の日本の他の地域と同じように、暗闇があちこちにある所だったのでしょう。妖怪の世界は迷信ではなく、現実のすぐ近くに間違いなくあるものだったと思います。また、この本に出てくる3人の女の子たちのはかない人生が、今よりもずっと厳しかった当時の生活を知らせます。 そんな闇の濃かった時代に、水木しげるさんの描く妖怪は、暗いだけでなく物凄い明るい面があります。また、小豆はかりが少年である水木しげるさんに言った「すべてのものが運命に定められた存在なのだ。」という言葉は、その後戦中・戦後の壮絶な時代を生き抜かれた水木しげるさんからの強いメッセージだと思います。 生活から暗闇が無くなった今だからこそ、のんのんばあの妖怪たちが多くを語るのだと思います。

・「国宝。
「のんのんばあとオレ」の内容については、もはや説明する言葉が見当たりません。

自分にとって”人生一番の書”です。

この限定版の一番幸せな事はサイズの大きさです。水木先生の描いたひとつひとつの線を眺めてるだけで「ふはっ」となれます。専用ケースにフランス版表紙、3000部限定でシリアル番号までが入っているため何か国宝でも手にしたような気分になれます。

これは墓場まで持っていきます!

・「保存用ですね
手にとって見ると、その大きさと厚さに驚きました。カラーの帯もいいです。

大先生自身が気に入って、大量に現地版を購入したというのもわかる気がします。この大きさで読むと、作品の迫力がにじみ出てきます。

日本版ではない装丁デザインもいいです。中に入っているかなり厚手のポストカードもいいです。

残念なのは、3000部限定でシリアルナンバーが入っていること。コレクション用としてはいいのですが、もっと手軽に読みまわせるようにしていただきたかったです。汚れるのもいやなので、保存用になってしまいました(だから星一つマイナス)。

最近は、過去の作品が文庫版でかなり出ていますが他の作品もこの大きさで出すのもいいのではないでしょうか。

・「ええ思い出をもらったな
幼い頃に聞いた怪談話。想像していたあの世のこと、幽霊のこと。私が育った時代とはだいぶ様子が違うのだが、どこか懐かしい気持ちを共有できる。

現代と比べると、非常に生きる努力が必要とされると感じた。幼い友人ははしかで亡くなり、ガキ大将は大阪へ丁稚奉公へ出される。ガールフレンドは神戸へ売られてしまう。そんな生活のはしばしで、妖怪との交流が生まれている。

妖怪が「オカルト」と横文字で語られてしまうとずいぶん味気ない。科学的な側面からでしか語られないのと同様である。人々の暮らしや生き死にとセットで語られるとすとんと腑に落ちた。

しげるの父の言葉が心に残った。好きだった女の子が死んでしまい、悲しんでいるしげるに向かって「その悲しみは宝物だ。ええ思い出をもらったな。」

のんのんばあとオレ (ちくま文庫) (詳細)

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

・「やっぱり、水木しげるの戦記ものの描写は素晴らしい。
水木しげるの「コミック昭和史」シリーズや「総員玉砕せよ!」を読んだので、重複部分も多いが、やっぱり水木しげるの実体験に基づいた戦記物はおもしろい。(戦死者の話もあるので、おもしろいというのは不謹慎だが。)

・「絵が最高!
カバー絵からしてウケる。この顔……。

写実的な背景と、漫画的な人間という組み合わせは、

アシスタントだったつげ義春が受け継いだ技法(たぶん)。

一番感動したのは、

巨大な野ブタに対して短刀一本・フンドシ一枚で闘う様。

ファンタジーの世界としか考えられないような描写だが、

水木しげるさんの実体験。

現代人には超えられない高齢者の経験値の高さを痛感させられる。

熱い青春時代、うらやましい!

・「社会的には変わっているが、人間の感覚としてはマトモ
ゲゲゲの鬼太郎の歌は、実は水木さんのユートピア・ソングで、それはこの時のラバウルの原住民、トライ族との交流が元になっています。 後続部隊なしの3年もの間初年兵でこき使われる日々、マラリア、部隊全滅、決死の脱出、爆撃、片腕切断。過酷な毎日の中で、若く丈夫な胃袋を武器に、部隊や療養所を抜け出し、原住民と仲良くなり、ときには森にうっとりし、森を畏怖した。 水木さんという人はかなり変わっていて、しかもタフです。人気があり、カリスマ性のある人だったようです。

社会的には変わっているが、人間の感覚としてはマトモ。そんな視点で描かれているので、戦記物としては他にない読み応えがあります。 1ページに1枚、水木さんのスケッチや漫画などの絵が入り、見開き1ページで1つのエピソードという構成がなかなか読みやすくて、目に楽しい。

・「悲観せずに毎日を過ごす事
 毎日をどう過ごすか。悲観して過ごすか。自然に逆らわず日々新たな出会いにたくましく対峙する。そいったあらゆるモノを超越した世界観を感じました。(T_T)

・「教科書に載らない話
教科書や映画では決して描かれていない、初年兵(一番下っ端の兵隊)から見た戦争を知ることが出来た。毎日の古兵からの理不尽ないじめ。「敵の方があっさりしていていい感じ」と語る口調に思わず笑ってしまった。色々な太平洋戦争に関する小説・実録DVDなどみたけれどそんな話どこにも載っていない、と言うような事ばかり。のんきな水木氏の語り口調にほんの少し救われるそんな一冊です。それでもとても悲惨で残酷だけど必読かと思います。

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫) (詳細)

悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)

・「貸本版は失敗作
子どものときにリアルタイムでTVの実写版と週刊誌連載に接していたが、貸本版は知らなかった。今回読んでみて「エロイムエッサイム」も「魔法陣」もここでは特に大きな意味はない。物語は大天才で精神的異能児「悪魔くん」が理想郷「千年王国」を築こうとして挫折する話なのだが、長すぎて読むのがつらかった。特に前半ゆっくり進みすぎで投げ出したくなるし、登場人物が多すぎてわかりにくい。呪医フラン・ネールは途中から全く姿を現さなくなる。著者の貧乏漫画家時代の怨念のようなものは伝わってくるが、貸本版は失敗で途中で打ち切りになったのはやむを得なかったと思う。

・「おもしろいとは言い難いが、いろいろ考えさせられる
NHKのドラマ「ゲゲゲの女房」に触発されて、「悪魔くん」を読んでみたくなった。だが「悪魔くん」にはいくつか種類がある。同じちくま文庫の「悪魔くん」はTV放送向けにリライトされたもので、本書は水木しげるが最初に書いたオリジナルに限りなく近いものらしい。”悪魔くん”の異名を持つ少年が、悪魔の助けを借りて、良き目的を達成しようとする…というモチーフは共通である。だが、本書オリジナル版は理想の千年王国を実現しようとするのに対し、TVリライト版は悪い妖怪を退治するという、事実上全く別の話になっている。いろいろ事情はあるのだろうが、全く別の話が同じ「悪魔くん」のタイトルで出されているのは、知らない人間にとっては実にややこしい。何とかならないのだろうか。

前置きが長くなったが、少なくとも本書は、主人公に”悪魔くん”の名に見合うだけのインパクトがある分、TVリライト版よりずっとましだと思う。内容的にも、おもしろいかどうかは微妙だが、インパクトがあるのは確かである。本書で最も強く感じたのは、悪魔の恐ろしさである。本書に登場する悪魔は、外見はパッとせず、能力的にも大した事はないのだが、実に不気味で、背筋がぞっとする。どう恐ろしいかはネタバレになるので書けないが、まさに”悪魔的”である。悪魔は決して人を幸せにはしない、だからこそ悪魔なのだ。たとえどんな崇高な目的のためでも、悪魔の助けを借りてはいけない。”目的は手段を正当化する”マキャベリ的な手法は、ある程度までは支持するが、やはり限度がある、越えてはならない一線がある…とつくづく感じた次第である。また、悪魔くんの理想にも共感できない。貧困や戦争のない社会、すべての人が平等で幸せな社会は、理想のように見えて、全然理想だとは思わない。社会主義の失敗が良い例だと思う。『(悪魔くんは)地球の色を塗り替えるのにいそがしい。同じ色一色に塗りつぶそうという味気ない考えだよ』と悪魔がコメントしている。イヤな悪魔だが、このセリフだけは言い得て妙だと思う。以上、主人公の手段はもちろん、目的にも共感できなかったので、手放しでおもしろかったとは言い難い。だが、いろいろ考えさせられるところのある、奥の深い話だと思った。

・「寛大な夢を一緒に!
悪魔くん歴代最大の寛大なユートピアを、この目で確かめて見ませんか? 今、貴方の目の前で、夢が実現する!

・「貸本版悪魔くんのリメイク
貸本版悪魔くんのリメイク作マガジン版とは大きく設定が異なります

貸本版では、使徒が揃いませんでしたしかし、本作では十二人全員が揃います

世界統一・平等社会「千年王国」の樹立という壮大な計画悪魔を召喚し、計画を果たそうとする悪魔くん悪魔くんは裏切りにより志半ばで倒れるしかし、悪魔くんは復活を遂げるのであった

救世主の名が「悪魔」くんとは、なんとも皮肉な名前であろうか個人的には、貸本版の悪魔くんが一番好きですそして、そのリメイク版の本作もそれに準じて好きだ

・「そんなにすごいか?
あらすじを読んで面白そうだと思ったのだが、そんなには面白くなかった。悪魔くんがほとんど苦労をしないからか。終盤がなげやりな感じがする。家獣とか八仙がらみの話は魅力あるんだけどなあ。

悪魔くん千年王国 (ちくま文庫) (詳細)

読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)

・「いい加減な知識で書かれた本である
江戸時代の記述の中に,『士農工商』の記述があるが,小学校でも,中学校でも,教科書から,『士農工商』の記述はなくなってる。未だにそんなことを書かれている本があることが,信じられない。江戸時代の身分制度についてこの筆者は古い知識しかない。20年ほど前は,『士農工商』という身分を平気で使っていたが,今は使わなくなっている。その知識しかない筆者はいい加減すぎる。現在,歴史の本の中で,江戸時代の身分制度を『士農工商』で語るなんて,恥ずかしくて恥ずかしくて仕方ない。また,被差別部落の歴史についても,過去には当たり前だった,「農民の苦しさをそらすために作られた」とということを書かれているが,これも明らかに間違いである。部落史に関わる記述は,下手をすれば間違った知識を与えてしまうことで,大問題になる記述であることさえ,筆者や出版社は気がついていない。また,綱吉の『生類憐みの令』で,『人間は大切にされなかった』というような記述があるが,これも明らかに間違いである。綱吉は,牢獄に入っている罪人に対して,今までとは明らかに違う待遇を行っている。まず,江戸時代の記述を見て,あまりにも知識のなさ,新しい研究を筆者自ら行わないで,過去の自分の知識だけで書かれていることを知り,この本は読むべきではない!と判断した。歴史は,研究が進めば進むほど過去の間違いが正されています。筆者や出版社はもっと学ぶべきです。この本にある記述を鵜呑みにする読者が出てくることを心配している。

・「さらさらと読めて勉強になりました
読みやすそうなので購入してみました。

歴史はあまり得意ではなく、単語や年号を端的に覚えている程度だったのですが、時代の背景や人物関係等が紹介されていて、さらっと頭に入ってくる感じでした。この内容で、この価格はかなりお買い得だと思います。縄文時代から現代にかけて日本史が学べます。

さらに現代日本を取り巻く諸外国との問題も記載されており、中学生〜高校生の方には特にお勧めできる良書ではないかと思います。

・「ビギナーの私では理解できなかった。
初心者向けかなと思って買ったんですけど、歴史嫌いの私にはあんまりわからなかったし、イライラしてきました。500円の文庫本を買うより1500円ぐらいの本を買ってちゃんともうちょっと詳しく説明してあるやつを買ったほうがよいと思いました。まあ、歴史が得意な方からしたら「あんたが無知なだけだろ」って言われそうですが。

・「お買い得
安さにつられて購入しました。歴史も本もあまり好きではないのですが、スラスラと読めました。

詳しい人にはもの足りないかもしれませんが、自分には程よい内容です。

先生っぽい記述や意見も、自分が考えるきっかけになって好感がもてました。

・「電車の中で、軽く読み飛ばす
電車の中で、軽く読み飛ばすのに適している。3度くらい読み直せば、日本史の本を読むときの足しになる。

読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫) (詳細)

ねぼけ人生 (ちくま文庫)

・「これはすばらしい本です。
水木センセの戦記ものは漫画でも読んでますが、この本は文章だけです。

だからといって劣るものではけっしてない。

というか、文章ならではのリアリティがそこにあります。

この半生を「ねぼけ人生」と言い切れるとは....

すさまじい奥深さに圧倒されました。

・「いいタイトルだ!
妖怪の存在に触れた幼年期から、戦争体験、貧乏生活、多忙な売れっ子時代へと、その人生は、「波乱万丈のスッゴイ人生」であるが、そこにはいつも、温かい可笑しみのようなものを感じる、常識とズレた妙な人物、出来事がある。そこが、この本の面白さだと思うし、水木しげるの特徴なのではないだろうか。

妙なことが多く起きていた昭和という時代に興味を持ったり、今生きている時代も後から見たら、変な時代かな、と考えたり、いや、時代背景よりも水木しげるという人物の面白さがヘンテコな人や事件を呼んでいるのかな、と思ったり。

とても面白い、オススメしたい本でありました。いやぁ~生きるってエキサイティングだね、とまで言っちゃいそうな本。

・「自伝エッセイ集(新装版)
筆者は70年代から少年時代や青年時代について自伝エッセイ--のんのんばあとオレ、ほんまにオレはアホやろか--を刊行していましたが、出生から現在までの一生についてあつかった著作はまだありませんでした。そこで筑摩書房の松田氏が企画したのが本書、「ねぼけ人生」です。「あとがき」によれば、著者の貧乏体験に紙面が割さいているのが特徴とのこと。なお筆者によるイラストは収録されていません。解説は呉智英「ほがらかなニヒリズム」。

本書は27のエッセイを、「落第」「戦争」「貧乏」「多忙」の各章に収録しています。少年向けの「のんのんばあ」「アホやろか」よりも文章は堅いですが、内容は拡充されているので、本書をあらためて読む価値はじゅうぶんにあります。

現在は『コミック 昭和史』『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』などマンガ自叙伝や、日経の「私の履歴書」をまとめた『水木サンの幸福論』が刊行されていますが、いずれも都合から省略した箇所があります。筆者についてもっと知りたいと思われた方は、内容がより詳細な本書をおすすめします。

なお新装版の刊行にともない、カバー装画が和田誠から南伸坊のイラストに変わりました。とはいえ、旧版の絵--筆者が目玉親父を肩に乗せ子泣き爺にしがみつかれている--のほうが味があるように思います。カバー装画をのぞけば、旧版と新装版はちがいはありません。

(2/26追記)筑摩書房から昭和44年に刊行された『現代漫画5 水木しげる集』の巻末に、「ねぼけ人生」というエッセイが収録されているのを見つけました。初出が書かれていないので書き下ろしと思われますが、文章が一致することから、この8頁のエッセイが本書の土台となったものと推察されます。

・「自伝エッセイ集
筆者は70年代から自身の少年時代や青年時代について自伝エッセイ--『のんのんばあとオレ』『ほんまにオレはアホやろか』--を刊行していましたが、出生から現在までの一生についてあつかった著作はまだありませんでした。そこで筑摩書房の松田さんが企画したのが本書「ねぼけ人生」です。「あとがき」によれば、著者の貧乏体験に紙面が割さいているのが特徴とのこと。なお筆者によるイラストは収録されていません。解説は呉智英「ほがらかなニヒリズム」。

本書は27のエッセイを、「落第」「戦争」「貧乏」「多忙」の各章に収録しています。少年向けの「のんのんばあ」「アホやろか」にくらべて、文章はすこし堅いですが、内容はもっと詳細なので、本書をあらためて読む価値はじゅうぶんにあります。

書き下ろしの形態をとっていますが、雑誌などに発表したエッセイも再引用している個所もあります(たとえば「失われた楽園」など)。

現在は『コミック昭和史』『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』などマンガ自叙伝や、日経の「私の履歴書」をまとめた『水木サンの幸福論』が刊行されていますが、いずれも都合から省略した箇所があります。筆者についてもっと知りたいと思われた方は、内容がより詳細な本書をおすすめします。

・「たぶん怒られるけどマンガより面白い
 あまりにも面白い本なので友達に貸すと絶対に返ってこない。  きっと「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔君」はみんなも読んだだろう。だけど作者の人生のほうがマンガより面白いことは知られていない。

 かれは自分が就く仕事でことごとく失敗をするは、ニューギニアの戦地では片腕をなくすは、なんとかつかんだ紙芝居や貸本マンガのブームもさっさと終わるは、極度の貧乏神に取り憑かれるなど成功するまでは苦労の連続だ。だけど持ち前の性格から自分の人生を楽しむだけでなく、さらにマンガでたくさんのひとまで楽しませてしまう。ちなみに昨年の自殺者は三万三千人で史上最多の記録を塗り替えた。これは交通事故による死亡をはるかに上回る勢いである。みんな水木しげるみたいになれば自殺なんてしないのに。

 だけど水木しげるのような性格はこれはこれでひとつの才能なのだ。だから教訓をひとつ:幸福というのも才能である。かくして才能のないボクはこつこつ勉強しなきゃならない、ってことを痛切に実感させられた本なのです。ガーーーン!

ねぼけ人生 (ちくま文庫) (詳細)

河童の三平 (ちくま文庫)

・「諦観
自然豊かな土地で暮らす少年三平と三平そっくりな河童が主人公

正確なところは、正直わかりませんが40〜50年程昔に書かれた作品なのか???当時を知らない私には、時代の雰囲気がわかりません当時のことを知らない私が読んだ感想は、この世界には現在とは異なる2つの雰囲気が漂っているということですこの雰囲気は時代によるものなのか、著者のセンスによるものなのかおそらく、これら2つが織りなすことでうまれているように思う

一つは死が日常のなかにあるということです主人公の祖父・父そして主人公・三平自身も死んでしまいます

もう一つは登場人物たちが諦観してしまっているということです主人公の祖父・父が亡くなる直前に死神が予告にくるしかし、死の訪れを少し先に延ばそうと悪あがきはするが、死自体を阻止しようとはしない死を否定するような強欲なことはしない諦観は裏返せば他人を引きずり落としてまで勝ちあがろうとしないことでもあるまた、人生に絶望しない為には諦観することは有効なことなのかもしれない

・「朝ドラを見て
朝の連続ドラマで扱われていて気になったので読んでみたらビックリ。

半世紀も前の作品なのに面白かったです。

・「名作を手軽に楽しめます(ちくま文庫)
 本書は「河童の三平」の編集版です。この点を心得れば名作を、一冊で手軽に楽しむことができます。裏表紙の紹介には以下の文句があります。

  「河童の三平」にかかわる諸作品を整理、再編集し、長篇マンガにまとめ全一冊と  した決定版。

目次は以下のとおりです。巻末には石子順造さんによるサンコミ版「河童の三平(4)」の解説を再録しています。

  「死神」  「空中水泳」  「ストトントノスの七つの秘宝」  「屁道」  「猫の町」  「水木マンガの脇役たち」(解説・石子順造)

本書の注意点は未収録作品が四つあること、そして収録作品の一部省略です。まず、本書では以下の作品が未収録です。

  「不思議な甕」  「幽霊の手」  「木神さま」  「夢のハム工場」

つぎに、本書は「死神」「空中水泳」「屁道」の一部を省略しています。「死神」では二ヶ所あります。本書100-101頁のあいだの、15頁分を省略しています。てんぐ岩と地下人の話です(貸本作品「太郎岩」のリライト)。最後の23頁分も省いてあります。ほんらいなら妖怪ギツネの話が続いていました。

「空中水泳」では184-185頁のあいだの一頁、「屁道」では冒頭の二頁(風景描写)省略があります。

本書の未収録作品、省略部分については中央公論社の愛蔵版、嶋中書店のコンビニコミック版(全三巻)で手軽に読むことができます。

・「ことばにできない名作
「千年王国」と双璧の傑作。とにかくことばにできない。とほうもなく間抜けたのんびり感。ふしぎな山奥の風景。三平、河童、タヌキらのかわいらしさ。あるようでない筋書き。非情な大人たちの応対。無臭老人、死神、こびと、猫娘の父親、蜘蛛になったその母親などの恐ろしいほどに奇怪なのに当たり前のように身近にいる日常性。それをなんとも思わないように、三平のお爺さんやお母さんがいる、無闇な不自然さが、あたりまえのように書かれてしまう。全編の真ん中部分に冒険物語も入って、幾らか「まともな」漫画らしさがあるが、それもつかの間、またまた、おかしな世界の筋なき筋のヘンな展開が続く。あっけなくも唐突に死んでしまう主人公の後にも、何事もなかったかのように話は進む。全編「死」の匂いがどこか漂う、しかし、それでいて、どこか「懐かしい」。筆舌に尽くしがたい名作とはこれのことだ。

・「先生!水木先生!
河童に似た三平という少年の冒険物語。人間と動物とお化けと妖怪の境い目が曖昧な水木ワールドを存分に堪能できる。水木先生のマンガは、絵と、セリフ回しと、キャラクターと、ストーリー展開がすごい。ってそれはマンガの要素のほぼすべてか。天皇陛下が脇役でさらりと出てくるあたりはさすが。

河童の三平 (ちくま文庫) (詳細)
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