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東京島 (新潮文庫) (詳細)
桐野 夏生(著)
「映画に惹かれて読んだけど…」「いやらしいまでのオンナの逞しさとふてぶてしさ」「くだらなさがいい」「元ネタを超えられない?」「何を伝えたかったのだろう…」
西巷説百物語 (怪BOOKS) (詳細)
京極 夏彦(著)
「まだ出てない話が。」「人間の「業」」「林蔵の仕掛け」「瑕と狂気を孕んだ幸福」「そうきたか」
魍魎の匣 (5) (怪COMIC) (詳細)
志水 アキ(著), 京極 夏彦(原著)
「見事完結」「最終巻」「彼岸へ」
メタボラ(下) (朝日文庫) (詳細)
桐野 夏生(著)
「イタ気持ち良さ」
「装丁とタイトルに魅かれたが・・・」「何度見てもタイトルは衝撃的。」「みんなアサミのことが好きだったのに」「新しい作風に挑んだ実験作だが、平凡なでき。」「普通でした」
メタボラ(上) (朝日文庫) (詳細)
桐野 夏生(著)
「主人公の変化に注目!」「どこかに連れて行ってくれる小説」
怪 vol.0030 (カドカワムック 352) (詳細)
水木 しげる(著), 荒俣 宏(著), 京極 夏彦(著)
コミック怪 Vol.11 2010年 夏号 (詳細)
京極 夏彦(著)
「映画に惹かれて読んだけど…」「いやらしいまでのオンナの逞しさとふてぶてしさ」「くだらなさがいい」「元ネタを超えられない?」「何を伝えたかったのだろう…」
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫) (詳細)
京極 夏彦(著), 笠井 潔(解説)
「「姑獲鳥の夏」、タイトルからして良い」「そういう作品なんだと思わないとダメですね。」「日本人の贅沢かも」「百鬼夜行ミステリ」「奇書」
● 京極夏彦〜単行本
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・「映画に惹かれて読んだけど…」
映画のCMで面白そうだなと読んでみました。最初は「おお〜」と設定と走り出しに好感。これは最後まで一気に読んじゃいそうとワクワクしながら読み進めましたが、ずいぶんと前半で失速。島人の誰にも共感できなくて、パラパラとページをめくる「作業」になってしまいました。でも読まない!と放り出すことはなかったので、そこはギリギリ☆三つです。なんだかな〜…あんな状況になったら、もっと人間ってドロドロになるんじゃないかな〜、薄いな〜と思いました。共感できす、うん。
・「いやらしいまでのオンナの逞しさとふてぶてしさ」
桐野作品はいつも人間のドロドロした部分を容赦なく描いており、それはイヤな感じではあるもののリアリティがあり凄さを感じさせるのでいつも引き込まれてしまい最後まで気の抜けない面白さなのだが、東京島に関してはドロドロ感はいつものことながら主人公がどうも安直でリアリティを感じることが出来ずなんとなく中だるみしながら最後までとりあえず読んだ感じであった。それにしても主人公のふてぶてしさと逞しさは、オンナのいやらしさが集約されていて気が滅入る感じではあった。他の作品が良いのでそれに比べると今回は少々がっかりでした。
・「くだらなさがいい」
元ネタのアナタハン事件に前から興味があったとか、こういう狭い世界に閉じ込められた状態の人間心理に興味があるとか、そういったものをすべて取っ払って、最初からくだらない小説だと思って読めば、けっこう面白いと思う。少なくとも、私はそうだった。
男大勢に女一人という、女性なら羨ましくなるような状況にもかかわらず、主人公の女性が羨ましくならない。その主人公の女性はどこまでも浅ましく、低俗で、それを隠そうともしないところが清々しくさえある。性がためらいもなく描写されるがそういった欲はかきたてず、その欲を持つ人間そのものがくだらないと思えてくる。途中に出てくる「犬だ、犬」という表現は、シンプルであっても、そのすべてを象徴していて、秀逸だと思った。
話の展開も、いかにも作り話という感じだが、そこがおもしろく、次々といろんなことが起きて飽きない。感動しまくったのに忘れてしまう小説もあるが、なぜかこの作品は時々、何か所かの場面を思い出してしまう。くだらないと思いながら読んでも、けっこうインパクトは強かったのだろう。そういった意味でも楽しめた。
性格の悪い奴がいっぱい出てきて、生活はどこか気だるく、苦笑いを浮かべながらも一気に読んでしまう。そういう小説を読んでみたいと思うなら、お勧めです。おもしろい。
・「元ネタを超えられない?」
これ、設定をほめるレビューが多いですが元ネタが「アナタハン事件」なのは、事件史が好きな人は気づくと思います。「グロテスク」「女神記」でも感じましたが、彼女が書く元ネタありの小説より、元ネタ(の事件)が面白いネタとその結末の方がよっぽど面白いのですが。。。
同じ、元ネタありの作品を数多く書く女性の作家と比べると、少し。。。
・「何を伝えたかったのだろう…」
ビートたけしのコメントに惹かれなんとなく手に取ってみた。
・「まだ出てない話が。」
シリーズ最終作らしいです。角川MOOK『怪』零号から読み続けている者にとっては寂しい限り。単発でも好いんで、思い出したように?復活とかしてくれないでしょうかね。「語られざる話」みたいな感じで…。というか、又市が初登場したのは『嗤う伊右衛門』でして、この「百物語」シリーズは謂わばスピンオフ風に始まったというか。「江戸噺シリーズ」(勝手に命名。気にしないで下さい)はまだ続くようですので、厳密には又市一味の姿は消えてない、と思いますけど。楽しみにしてます。で。又市の義兄弟こと〈靄舟の林蔵〉を主人公として紡がれた、これぞ所謂スピンオフ、かも。単行本書下ろしの最終話に又市ゲスト出演してます、因みに。はい。又市と、林蔵の遣り方は、口車に乗せてどうにかするという意味で共通項はあると思いますが、実はそのベクトルは対照的という気も。又市が、八方塞の状況を解きほぐして再構築するという過程《プロセス》を辿るのに対して、林蔵は、「なるように為してしまう」というか。必ずしも改「善」はされてないですが。でも好いんです。前に進めます。なんなら人情噺っぽくもあります。これで最後かリクエスト殺到か。勿論、続篇を心から望む所の一ファンなのでした。
・「人間の「業」」
「巷説」シリーズも五作目。今回は、舞台を大阪に移しての物語です。主人公は、靄船の林蔵です。
月の魔性を扱った「桂男」、死人の供養を怠るとどううなるかという「遺言幽霊 水乞幽霊」、狼の血を引く刀匠を扱った「鍛冶が婆」、夜の楽屋の人形争い「夜楽屋」、骸に踊らされた庄屋の凶行「溝出」、赤子を育てた豆狸「豆狸」、そして奸計を巡らし自分の首を絞めることになった「野狐」の7作品が収められています。
このシリーズの魅力は、何と言っても摩訶不思議な世界の様に見えながら、人間の「業」を見事に描ききっているところでしょう。しかも、そこに登場するキャラクターが魅力的です。そのあたりが、どちらかと言うと暗くなりそうな話を、それほどでもなくさせている大きな要因でしょう。
どの一編を取り上げても読みごたえのある面白い話ばかりです。流石「京極ワールド」。素晴らしいです。
・「林蔵の仕掛け」
元々巷説シリーズは愛読しておりましたので、今回も期待して購入致しました。
読了して感じたのは、又市と林蔵の仕掛けは似ているようで違うものなんだなあということです。又市は、なんとか人死にが出ないように気を配り、そういう図面を引いていたような記憶がありますが、林蔵はあまり人死ににはこだわってはいないように感じました。仕掛けにも性格が出るのだなぁと。
上手く言葉にできないのが恐縮ですが、今作の林蔵に対しては「無常感」とでもいいましょうか、そんなものを感じました。
前巷説の時の彼より、かなり深み(暗さ)があるキャラクターに成長しています。本当に巷説は魅力的なキャラクターばかりで、京極先生のお力には脱帽ですよ。
まだまだ続きがありそうな巷説ですが、これからも追っ掛けていきたいと思っています。取りあえず、「千代田の大鼠」に関わる仕掛けのお話が早く読みたいです←これが出たら完結してしまいそうですが(笑)
・「瑕と狂気を孕んだ幸福」
巷説シリーズの関西版。名を成した分限者、職のプロフェッショナルとして成功した者、不遇な境遇から幸せを得た者等がその過程で残し秘めてきた「瑕」や「狂気」がテーマ。各編の主役は冒頭から「幸せをつかんだ好ましい登場人物」として現れ、一旦は読者の「肩入れ」を呼び込みつつも、靄船の林蔵たちの仕掛けで、徐々に瑕や狂気があらわになってくる。その過程がこの作品の味わいどころ。
「西の物語」ということで当然関西弁の台詞が殆どですが、大阪人の自分にも違和感なく読めました。むしろ関西語圏以外の人に会話のやり取りのニュアンスが伝わるのか心配になるぐらい。以前の巷説シリーズでも玉泉坊など「西の」登場人物の台詞で作者の関西弁の正確さは感じていましたが、全編に渡って関西の空気感が破綻なく表現されています。
相変わらず表紙カバーの裏にまで凝る装丁にも力が入っておりファンならハードカバーで手元に置いておきたい書籍です。 「巷説百物語シリーズ 徹底解説書」という折込チラシ?が付いていて、「人物相関図」や各編の物語を時系列順に並べなおした「巷説年表」など見ることが出来ます。初版以降も付くのかどうか判りませんが、欲しい方はお早めに手に入れるほうがいいかもしれません。
・「そうきたか」
巷説百物語続巷説百物語後巷説百物語前巷説百物語前後しながらも時間軸で記述されていた御行の又市の物語は、前作まで。
京極先生得意のスターシステムを駆使して、先行作に関係を持たせながらも今回は「西」。そう来たか。時間軸でなく、「場」を変えてきたのか。これまで地方の舞台は多いものの、あくまで又市の本拠地は江戸であったが、今回の物語の舞台は大坂。主役は林蔵。
トーンが違う。又市の「豪腕」ぶりと比べると林蔵はスマートだ。
しかしその分プロットが強引では?全体としては、「金」「男」「女」「芸」「名誉」といったものへの「常ならぬ執着」や「物狂い」が背景となっているのだと思うが、いくら「狂って」いるにしても、それはないやろ、と言う読後感が強い。もちろん狂っているから常軌を逸するのであろうが、常人から推測できるぎりぎりの範囲で収めるのが作家の力であるという気がする。そこから考えると、「桂男」、「鍛冶が嬶」など、いくらなんでも、という印象を受ける。
・「見事完結」
原作があるからといって、それを見事に咀嚼し、尚且つ漫画として表現し直すという事は、かなり困難な事だと思う。原作に思い入れのあるファンが多ければ尚更だろう。
4巻のレビューでも書いたが、志水さんは本当に凄い。変に「オレ流」アレンジを加える事無く、だからといって原作の持つ「重さ」も損ねる事無く、確かな画力で描かれた作品だ。むしろ絵がある事によって解りやすくなっており、各登場人物の悲哀や狂気、そして…アレの美しさが迫ってくる。
次の連載も始まっているが…あの原作も私は途中をすっかり忘れてしまっているので…とても楽しみにしている。
・「最終巻」
京極夏彦氏の代表作・魍魎の匣のコミカライズ最終巻
原作に忠実で作画を担当した志水アキ氏は本当にこの作品が好きなんだなと実感出来ましたCLAMP氏キャラデザのアニメはアニメで良かったですが、あれは全体的に綺麗過ぎた印象を受けますがこの漫画は若干の汚さやグロさもあり原作ファンとしては志水アキ氏に方に軍配をあげざるをえないですね何よりアニメと違うのは狂気さの表現でしょう
京極堂の最後の謎解き、憑き物落としは最高ですそして箱に入れられた加菜子は美しいです
・「彼岸へ」
私が原作で最も引き込まれたのが雨宮典匡の人生です。彼がいなかったら魍魎の匣を読まなかったと思います。だから彼が主役になるこの完結編はとても楽しみにしていました。今まで通り原作に忠実にしかも漫画だからこその描写の良さに満足しました。最後の夕暮れに一人、少女を背負い行く彼の姿に泣きそうになりました。可哀想とかじゃなく、何だか悲哀に満ちた一枚の絵に魅せられたような…よくわかりませんね。漫画化成功だと思います。原作を知らなくても原作より分かりやすいのでおすすめですよ(^-^)天国は幸せ地獄は不幸。じゃあ彼岸は?でも…何だかひどく男が羨ましくなってしまった。
・「イタ気持ち良さ」
社会派小説を読む原動力ってけっこう新聞の三面記事を読むような好奇心だったりする。だから陰惨で救いがないものほど興味惹かれるところもある。でもやはりエンターテイメント的な部分もなければ読者を引き込む事は難しい。この小説はそのバランスが優れている。架空のドラマの甘い口当たりを期待する読者にガツンと投げかけられる現実の重み。個々が整理されたり完成したりしないで常に混沌としていること、またそれがぶつかり合う様などはいつもリアルで息苦しいくらいです。読者の野次馬的好奇心とリアリティのイタ気持ちよさを上手く織り交ぜて物語に引きこむ手管は見事です。
・「装丁とタイトルに魅かれたが・・・」
正直、期待はずれ。
愚直なまでにまっすぐに生きてみると、
この「男」のように他者の勝手な言い分がすべて「おかしい」=「死ぬしかないんじゃないか」
となるかもしれないのだが、この「男」の言い分をまともに聞くと、
やはり「死」を軽視した論法に帰結うるようなしないような・・・
結局何をいいたいかわからず、???な本。
・「何度見てもタイトルは衝撃的。」
亜佐美と言う女の子が殺され、主人公の若者・渡来が、その関係者に話を聞いていくというストーリー。この主人公の行動も謎だし、言いたいことも謎で、どうもよく分からないままに読んでいったという印象です。
・「みんなアサミのことが好きだったのに」
各章は被害者の関係者が一人称で語る形式を取り、すべて準ひきこもりの若者が何者かに殺された知り合いの女性アサミについて尋ねる対話で構成されています。
徐々に浮かび上がる被害者像。そして暴かれる関係者らが覆い隠していた秘密。ときにそれは彼ら自身が思いもよらなかったアサミの姿であったり、自らの姿であることも。
若者は対人スキルに欠けた、一見非常識で傍若無人なDQNのようですが、関係者達が口を揃えたように「馬鹿にされて辛い(認めて欲しい)」「自分は悪くない(相手が悪い)」「勝ちたい(負けたくない)」と他人との関係の中に自らの幸福やら不幸やらを見つけようとするなかで、自分自身は他人との関わりに何も期待しない人間であることについて非常に自覚的です。
結局、アサミがどういう人間で何を考えてたのか、なぜ犯人の手にかかって死ななければならなかったのかは最後までよくわかりません。客観的に見ればアサミは悲惨な人生を歩んだ、明らかに不幸な人間です。でも、本人は不幸だとは言ってなかった、無理してるようにも見えなかったというのも「真実」だったらしい。 唐突なようですが、たぶんアサミは菩薩です。
最後に「君は人殺しだよ」といわれて犯人が「安心したように目を伏せた」のは、おそらく他人のことなんか解らなくて当たり前」なのに自己イメージが他人にそのまま伝わったからであるとともに、殺したアサミが「人間じゃなくて、何かもっと凄えもの」でなくてよかった、という二重の安堵だったように思います。
「幸せなおちびちゃん?私がサミシイかどうかは私が決めるの」は相田裕の『ガンスリンガー・ガール』のセリフですが、誰かが幸せか不幸かなんて他人が決めることはできないんでしょうきっと。湊かなえ原作・中島哲也監督の『告白』のような映画になったらとてもおもしろいだろうなあ、といまから当てもなく期待してます。
GUNSLINGER GIRL 1 (電撃コミックス)
・「新しい作風に挑んだ実験作だが、平凡なでき。」
京極夏彦のトレードマーク、妖怪もレンガ本もない平凡なミステリ。殺人事件の関係者に被害者のひととなりを聞いて回る。その人間たちの造型描写を楽しむと行った趣向の作品。会話が進むうちに関係者たちが本音をさらしてゆく段階が面白くはあるが、最後は説教臭くなって興ざめする。死ねばいいのには決め台詞で使われるが、必ずしもその情景にそぐわない。京極氏の実験作であり、できはあまりよくない.京極堂シリーズが待ち遠しい.
・「普通でした」
あっという間に先が読めるのに、毎回展開が同じであきる。ようは「タイトル負けしてい、ビックリするほど普通。」なので★3にしたいところですが、
1)関係者がバカ設定の主人公より知能が低いようで、話しにならいない。のでマイナス1(というか、他の方も書いてらっしゃいましたが教養なしで頭が悪いのに、他人の意見を論破する。という設定自体に無理がある。)2)主人公の男の子の言葉に説得力がない(一番ひどいのは 重要な"死ねばいいのに"という理由が一貫していない。ネタバレに繋がる可能性があるのであえて書きません)。のでマイナス1
内容は現実味があるのに主人公の設定にだけ現実味がない。頭が悪い設定なら「そんなにイヤなら死ねばいいのに」程度の発言に留めるべき。作者は、ろくな言葉遣いもできない教養のない頭の悪い人間を知らないんじゃないでしょうか・・・・。 「素人がボクサーに立ち向かい、素人ならではの斬新な攻めでKO勝ち!しかも連勝!」みたいな。そんな感じです。実はプロボクサーだった!みたいなドンでん返しでもあれば救われますが大バカなことやっちゃってるのでそれも無理ですしね。
忙しい方は、1、5、6人目だけ読めば十分です。
・「主人公の変化に注目!」
物語は、記憶を失った主人公がなぜか何の荷物も持たないまま、沖縄の密林で職業訓練所から脱走してきた昭光という男と出会うところから始まります。主人公に記憶がなく、また何も荷物もない(お金も身分証明も何もない)状態から得体の知れない男とともに新しい生活をスタートするので、先の展開は全く読めず、そういう意味では新鮮に読むことができます。ただ、全体を通してドキドキハラハラするような展開があるわけではなく、予想外のどんでん返しがあるわけでもありません。主人公の記憶について多少気になるものの、ついつい読みふけってしまうような話ではなかったため、評価は3にしました。舞台が沖縄で、昭光が宮古島出身であることから、会話はほとんど沖縄ことばと宮古ことばで書かれており、そのせいで言わんとしていることが若干理解できないことが多々ありました。
「社会から零れ落ちていく若者のリアルと後戻りできない現代の貧困を暴き出す」とあらすじにありますが、それよりも、主人公の成長というか、変化というか、様々な経験を通して変わってゆく主人公の心情が見所だと思います。同じ主人公なのに、物語と最初と最後では、感じ方・考え方がまるで別人のように違っています。主人公に対する印象も変わります。でもそれがごくごく自然に描かれているところがすごいなと思います。「あ、この出来事で成長したんだな」とかそういう感じではなく、良くも悪くもいつのまにか冷静に、したたかに、逞しく、素直になってゆく様は見事だと思います。そんな主人公とは対比的な昭光も印象的でした。
・「どこかに連れて行ってくれる小説」
2人の訳ありニートの過去と現在を交錯させながら進んでいくロード小説。主人公が男のためか、同時期の他作品と違う位置づけにしたかったのか、桐野夏生らしいエログロは少ない。あまり考えたくはないんだけど、他作品のように「エログロを呑み込んで更に逞しくなっていく女性」的な生命力は感じず、男って「死に向けて行進する存在」と桐野さんが定義づけているようで怖いです。なにかのインタヴューで彼女が語っていたように、ちょうど派遣地獄的な社会問題がクローズアップされた時期に発刊されたので、そういう括りでこの作品が話題になった側ところがあるのですが、社会問題を取り上げて話題作りしたというよりも、現在的な男性性の文脈を探していたらそこに行きついたという感じで、嫌味は全くありません。エログロジェットコースター的な盛り上がりが上滑りする時期(東京島とか)から、引き算をしながら作品を成立させることに成功していると思います。新たな変容の可能性すかね。しかし、いつもながら、読後に読む前よりも違ってる自分に気付かせる小説が書ける桐野さんはすごいな〜と思わされます。現在そういう書き手はいないでしょう。
●東京島
・「映画に惹かれて読んだけど…」
映画のCMで面白そうだなと読んでみました。最初は「おお〜」と設定と走り出しに好感。これは最後まで一気に読んじゃいそうとワクワクしながら読み進めましたが、ずいぶんと前半で失速。島人の誰にも共感できなくて、パラパラとページをめくる「作業」になってしまいました。でも読まない!と放り出すことはなかったので、そこはギリギリ☆三つです。なんだかな〜…あんな状況になったら、もっと人間ってドロドロになるんじゃないかな〜、薄いな〜と思いました。共感できす、うん。
・「いやらしいまでのオンナの逞しさとふてぶてしさ」
桐野作品はいつも人間のドロドロした部分を容赦なく描いており、それはイヤな感じではあるもののリアリティがあり凄さを感じさせるのでいつも引き込まれてしまい最後まで気の抜けない面白さなのだが、東京島に関してはドロドロ感はいつものことながら主人公がどうも安直でリアリティを感じることが出来ずなんとなく中だるみしながら最後までとりあえず読んだ感じであった。それにしても主人公のふてぶてしさと逞しさは、オンナのいやらしさが集約されていて気が滅入る感じではあった。他の作品が良いのでそれに比べると今回は少々がっかりでした。
・「くだらなさがいい」
元ネタのアナタハン事件に前から興味があったとか、こういう狭い世界に閉じ込められた状態の人間心理に興味があるとか、そういったものをすべて取っ払って、最初からくだらない小説だと思って読めば、けっこう面白いと思う。少なくとも、私はそうだった。
男大勢に女一人という、女性なら羨ましくなるような状況にもかかわらず、主人公の女性が羨ましくならない。その主人公の女性はどこまでも浅ましく、低俗で、それを隠そうともしないところが清々しくさえある。性がためらいもなく描写されるがそういった欲はかきたてず、その欲を持つ人間そのものがくだらないと思えてくる。途中に出てくる「犬だ、犬」という表現は、シンプルであっても、そのすべてを象徴していて、秀逸だと思った。
話の展開も、いかにも作り話という感じだが、そこがおもしろく、次々といろんなことが起きて飽きない。感動しまくったのに忘れてしまう小説もあるが、なぜかこの作品は時々、何か所かの場面を思い出してしまう。くだらないと思いながら読んでも、けっこうインパクトは強かったのだろう。そういった意味でも楽しめた。
性格の悪い奴がいっぱい出てきて、生活はどこか気だるく、苦笑いを浮かべながらも一気に読んでしまう。そういう小説を読んでみたいと思うなら、お勧めです。おもしろい。
・「元ネタを超えられない?」
これ、設定をほめるレビューが多いですが元ネタが「アナタハン事件」なのは、事件史が好きな人は気づくと思います。「グロテスク」「女神記」でも感じましたが、彼女が書く元ネタありの小説より、元ネタ(の事件)が面白いネタとその結末の方がよっぽど面白いのですが。。。
同じ、元ネタありの作品を数多く書く女性の作家と比べると、少し。。。
・「何を伝えたかったのだろう…」
ビートたけしのコメントに惹かれなんとなく手に取ってみた。
・「「姑獲鳥の夏」、タイトルからして良い」
600ページという要領ですが、当時読書初心者だった自分でさえスムーズに読みきれました。
助けを求められた関口君が、憑き物落しを依頼しに京極堂の元へ向かうシーンの疾走感。何百ページとじらされて、ついに動き出す、陰陽師・京極堂が憑き物落しへと向かう登場シーンあまりにものカッコ良さに鳥肌が立ちました。
ハマりにハマって夏休み中京極堂シリーズを読んでいた記憶があります。続編から1000ページを軽く超えてきますが面白いのであまり苦にはなりませんでした。読みきった達成感はかなり得られます。
現在までに出ている京極堂シリーズの中でも、姑獲鳥は最高傑作だと思っています。
また、やたらと蕎麦が食べたくなりました。
・「そういう作品なんだと思わないとダメですね。」
純粋に推理モノだと思って読むとがっかりさせられます。「こんなのをトリックと言っていいのか?」と言いたくなるはず……
ただ、ストーリーや登場人物の心理描写は読んでいて引き込まれます。読み返すごとに面白いと思える作品でした。
・「日本人の贅沢かも」
凄く面白い小説でした。
終戦直後の日本が舞台となっており、鬱々していて、長いのですが、それが不思議な雰囲気を出していてとても良いです。
そして本書は、外国語で表現することは非常に難しいと思われ、日本人でないと理解しにくいものと思います。
逆に言えば日本人でないと楽しめないし、日本人だからこそ存分に楽しめるもので、本書を読めることにとても贅沢なものを感じます。
・「百鬼夜行ミステリ」
京極堂シリーズ第一弾
「魍魎の匣」は日本推理作家協会賞を受賞した作品ですが、個人的にデビュー作の「姑獲鳥の夏」が一番気に入ってます。ページ数もシリーズを通して少ない方ですし(笑)お気に入りの関口先生の性格も丁寧に書いているし、妖怪や怪奇な事柄を思慮深い京極堂が解析していく姿にも納得のいくことが多く、独特な物語にもすんなり入り込むことができる作品。
・「奇書」
人によって評価は別れますが、ある意味凄い作品です。
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