黒澤明監督作品 AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Blu-ray Disc Collection III (7枚組) (詳細)
黒澤明(監督)
天国と地獄 [Blu-ray] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎(俳優), 山崎 努(俳優), 香川京子(俳優), 仲代達矢(俳優), 木村 功(俳優), 三橋達也(俳優), 志村 喬(俳優)
赤ひげ [Blu-ray] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎(俳優), 加山雄三(俳優), 山崎 努(俳優), 二木てるみ(俳優), 内藤洋子(俳優), 杉村春子(俳優)
椿三十郎 [Blu-ray] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎(俳優), 仲代達矢(俳優), 加山雄三(俳優), 団令子(俳優), 志村喬(俳優), 山本周五郎(原著), 菊島隆三(脚本), 小国英雄(脚本)
「娯楽の殿堂」「黒澤明、日本映画の評価は、これを見た後でするべし」「本編は最高 でも・・・」「面白い!!」「続々登場する素晴らし作品!映像特典をたくさんつけて欲しい…」
用心棒 [Blu-ray] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎(俳優), 東野英治郎(俳優), 山田五十鈴(俳優), 加東大介(俳優), 仲代達矢(俳優), 司 葉子(俳優)
「用心棒にご用心」
夢 [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 寺尾聰(俳優), マーティン・スコセッシ(俳優), 倍賞美津子(俳優), 笠智衆(俳優), 伊崎充則(俳優), 原田美枝子(俳優), 井川比佐志(俳優), いかりや長介(俳優)
「映画の世界遺産」
七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎;志村喬;稲葉義男;宮口精二;千秋実(俳優)
「全部が含まれている」「名作。」「すばらし!!」「文句のつけようがない大傑作」「魂揺さぶり 命たぎる 金字塔映画」
蜘蛛巣城 [Blu-ray] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎(俳優), 山田五十鈴(俳優), 千秋 実(俳優), 志村 喬(俳優), 浪花千栄子(俳優), 加藤 武(俳優), 藤木 悠(俳優)
羅生門 デジタル完全版 [Blu-ray] (詳細)
黒澤明(監督)
「サスペンス調」「素晴らしい画質に大満足。心に希望の灯がともるラストが印象的。」「快挙です。」「やる気になればできるんだね〜!」「黒澤明を神格化しないために、あえて」
生きる<普及版> [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 志村喬;小田切みき;小堀誠;金子信雄;千秋実(俳優)
「何度見ても涙が止まりません。」「仕事を、人生を考えようという時みんなに振り返って欲しい作品。」「映画の教科書」「ラスト数十分の集団劇にこそこの映画の凄みを感じる。」「現代社会を生きる日本人にこそ観て欲しい日本映画」
● 日本映画1
● ボストン映画記
● 赤川次郎の映画館2(三毛猫ホームズの映画館ではありません。)
● オススメ映画
● 観たい映画
● 〓◆【映画温泉300選より 名作#1-25】◆ 〓(2010改定版先行公開
● 〓★BEST◆Theドラマ◆〓映画温泉300選より〓2010版
● 人生も半ばを過ぎた。好きな映画を残しておこう。(日本映画編・公開順)
● 1952年
・「娯楽の殿堂」
1962年公開の作品を約半世紀を過ぎて観賞。黒沢明という人の凄さを感じる。もっとも好きな作品はデルスウザーラであるがこの作品に含まれる笑いという要素がたまらなく良いですね。また、今現在も活躍されている役者さん、仲代達矢、加山雄三、田中邦衛なんかの若い頃が見ることが出来るのも嬉しい。個人的にはBGMが強すぎるようにも思うが、これは当時としてはしょうがないのかもしれませんね。
・「黒澤明、日本映画の評価は、これを見た後でするべし」
個人的には、黒澤明の最高傑作だと思っている。勿論、「七人の侍」「隠し砦の三悪人」「用心棒」より上だと見る。 黒澤明の作品は多少饒舌な部分があり、あと十分か二十分カットすればもっと傑作になるのに……という気がするものだが、本作に関しては、一切カット不要……というか、下手にカットすると意味が分からなくなる、と言うくらいにまで脚本が削いである。 三船敏郎の剣捌き、本来は主役になるはずだった小林桂樹の名演、息をもつかせぬストーリー、見始めに気になる白黒シネマスコープなどその内気にならなくなる面白さ。 娯楽とは、映画とは、巨匠の渾身の解答と言えよう。 これを見てリバイバルを見ると笑えるぞぅ(自分は笑おうと思って見たけど)。
・「本編は最高 でも・・・」
ほんとにそうですね。 高くて特典も少ない。
本編は最高な物ばかりなのに。
パッケージのセンスもおじさんチック
米国クライテリオン盤なんかのセンスを見習えないのかな?
紙ジャケとか・・・どおいう人が担当なんだろう?
若い人に任せた方がいいのでは?
いいデザインの方が売上もUPすると思うんだけど。
・「面白い!!」
開始5分で「これは面白い展開になってきた!」と思わせるのは流石。次々と起こるピンチを策略で切り抜ける展開に一気に引き込まれました。ストーリーも単純明快、無駄と思えるシーンもなくサクサク進んでいくので大変見やすかったです。黒澤作品・白黒映画を倦厭している人にお勧めしたい一作。演技がいかにも芝居じみてリアリティに欠けるのですが、その分娯楽面に徹しているので気になりませんでした。
冒頭で若侍達の「こうなったら死ぬも生きるも我々9人!」という台詞に対し「10人だ!てめぇらのやる事は危なくて見ちゃいられねぇ!」と椿三十郎が味方になるシーンは最高にかっこいい。椿三十郎が去った後、さりげなく若侍達の突っ込み役を担ってくれる押入れの侍もいい。椿屋敷が舞台なのでカラーだったらさぞ綺麗だろうと思いつつ、ストーリーの鍵となる椿がいかにも作り物っぽいので白黒で良かったかも。椿が川を流れるシーンは、それまでの殺伐とした空気を変えてくれるような美しさでした。そしてラストシーンの緊張感が凄い!長い「間」の中で、緊張のあまり息ができませんでした。何度見返しても面白い作品です。
・「続々登場する素晴らし作品!映像特典をたくさんつけて欲しい…」
前作「用心棒」に続く超傑作時代劇。
・「用心棒にご用心」
「映画の面白さを十二分に出した作品を作りたい」という黒澤監督の言葉が全てを物語る傑作。金で雇われ悪事の片棒を担ぐ用心棒を、知性と意志を持った豪傑にして、雇い主が用心しなければならない存在にするという逆転の発想が素晴らしい。危うい状況でも、主人公には余裕・風格すら感じられ、そこからくる茶目っ気や優しさが、緊張の中の程よい緩和になり、シンプルなストーリーに幅を持たせます。彼を知るにつれ、居酒屋の爺の態度が徐々に変わっていくのも微笑ましく、人物描写も手を抜いていません。テンポも音楽もよく、超一級の娯楽作品です。観た後、肩をゆすったり、無精ひげを生やしたくなるので、勤め人はご用心を。
・「映画の世界遺産」
黒澤明が見た夢…。なんとも壮麗な色彩をもった「夢」である。
スピルバーグが全面協力し、ジョージ・ルーカス率いるILMがCGを担当、ワダエミが衣装を手掛けている。
夢を映像化した作品ということは、取りも直さずスピリチュアルだ。
子供の頃にこの映画を見れてほんとうに良かったと思う。これほど神秘的で、幽玄で、根源的な恐怖心〜目に見えないものに対する畏怖の念〜を煽られる映画は他にないから。 今でもそれは変わらず、心の中の一番ピュアな部分に響いてくる。
それにしても、自分の夢を映画化できるなんてなんて贅沢な話だろう。 もちろんそれは、普遍的なメッセージ・ドリームであったからこそ映像化する意義があるのだし、或いは寓話としての価値があればこそ… 「説教臭い」なんて意見もありますが、本来の「夢」とは説教臭いものだ。
勝手ながら、映画の世界遺産に指定します!
それにしても、こんなに安価だとは…
・「全部が含まれている」
本屋でDVDを買いました。ぬかるみの中で右往左往する馬のひずめの音と足の撮影は迫力がありました。また馬一頭しか入れないような狭い入り口から敵を一人ずつ入るようにし掛けて袋ネズミで射止める作戦も面白かったです。
昔風に言えば“水のみxxx”出身の菊千代(三船敏郎)が盗んだ家系図を見せて由緒ある侍出身を見せかけて演説したり、貧困極まった農民達が、、、実は貴重な食物を隠していた、また村人達が恐れてかくまっていた娘達が出てきたときの菊千代の驚きと喜びのシーンも真実味がありました。
一本調子ではなかった、それどころか貧困にあえぐその時代の農民の心情、浪人たちの状況、ラブストーリー、悲哀、戦争作戦 etc.が名演技と一緒に映画全体に上手に組み込まれています。
黒澤明は言うまでもなく、三船敏郎のナチュラルで朴訥とした演技とそれでいて物凄く豪快!と思うととても優しい表情を見せる彼のlooksは世界的に通用します。
・「名作。」
「とりあえず観とけ」的映画。
あぁなるほどなぁ。今の人はこういうのをマネしてるんやなぁ。と思う場面が随所に登場。さすがに古臭さは否めないものの、それすら「味」になっているのです。ただただ完成度の高さに脱帽するのみ。
ストーリーは単純なのに細かく作りこまれていて、登場人物が十分に生きている。様々なギミックも用意されていて、飽きさせない構成も見事。月並みながら、「豪快にして繊細」という言葉がピッタリなのです。
「これは俺なんだよぉ」(ミフネの名ゼリフ)は涙ものです。
http://review.btmup.com/dvd_movie/seven-samurai-akira-kurosawa.html
・「すばらし!!」
黒沢作品はやっぱり昔のほうがいいですね。この作品は、内容もいいけど役者さんが皆さんすばらしい。今風に言えば、イケ面は一人だけ、木村功さんね。全員、「ああ侍」ですしお百姓さんはまさしくお百姓さん。何回見ても飽きません。
・「文句のつけようがない大傑作」
あっという間の3時間半。見るものを圧倒する素晴らしい映画。
人生の中でこんな映画に出会えるのはほんの数えるほどしかない。こんな最高傑作が日本で誕生して、そして今現在でもDVDというメディアで楽しむことができる環境に感謝です。
内容はもう、他の方々がレビューされているので多くは語りませんが、やっぱり七人それぞれの個性を見事に演じきった俳優、農民一人一人、全てが素晴らしい。
何度も繰り返してみたくなる、凄い映画です。
・「魂揺さぶり 命たぎる 金字塔映画」
正直 何から評価したら良いのか 迷い過ぎる程 素晴らし過ぎる 困ります 文句なんて とんでもない 完全無欠の映画です 私は舞台でも映画でも年数回 役者として演じさせてもらってる者ですが 観る側よりも 演じる側として 演出側として何度も見直してみても恐ろしい程 鳥肌が立ち 汗が出てきます 全てが神の領域です感想の最後に切られ撃たれ死にゆく野武士も侍も 死に様がリアルです 中には あっけないとか迫力がない死に様という 糞馬鹿の方々もいますが 人は演出たっぷりの死に方なんてしないです あのような場面では 人はあっけなく死に ズタボロのゴミクズのような屍に変わってしまうんです そこまで死に様でさえ計算尽くした監督とスタッフには脱帽して頭が上がりません 菊千代の死に様に何度観ても目頭が熱くなります
・「サスペンス調」
黒澤明作品: サスペンス調にストーリーが流れて行きます。侍の死体を発見した証人と、死んだ侍とその連れの女性(京まちこ)とすれ違った坊さん、犯人だと思われるTajyomaru(三船敏郎)達が裁きの座で一人一人カメラに向って話す、と言うことは、私たちに事の次第を報告する形式です。
それぞれの証しが違うので、そのストーリーにのめり込んで行きます。ここでまたTajyomaru役の三船敏郎がこの映画を盛り上げている張本人です。特に力ずくで自分のものにした女(京まちこ)とその夫が“こんな女はいらない・・・”とそのわけを説明する場面で、Tajyomaruが女と男の顔を見比べるその表情の演技は三船敏郎ならでは、魅了されました。三船敏郎は One of the world's greatest actors として世界中の巨匠やGreat actorsから今でも尊敬される理由が確かに分かリます。三船敏郎の魅力!!!黒澤明は天才的監督!
戦い、飢餓、貧困が続き人のモラルが低くなり、そして“人間の醜さに羅生門に住んでいた鬼が逃げ出した。”しかし羅生門に捨てられた子どもを哀れんで引き取る決心をしたのも人間でした。
・「素晴らしい画質に大満足。心に希望の灯がともるラストが印象的。」
さすが米アカデミーのデジタル復元技術。画面の雨降り状態の傷がすっかりなくなり、明暗のコントラストがはっきりして、映像のぶれも気づくほどではない。
この光と陰の対照があってこそ、森の中の木漏れ日、その下で展開する人間ドラマを演じる俳優の表情が活きる。雨のしぶきも鮮明で、木の枝の重なりや空の雲の重なりも立体的に感じられるほど。蘇った画像の質には大満足だ。音声も「七人の侍」より良い。もっともすぐには漢字が浮かばない言葉が出てくるので、私は最初、日本語字幕をONにしたが。
同じ出来事を複数通りに語り分け、真実はどれでしょうというスタイルは、例えばチャン・イーモウの「HERO」の遠い先祖と言える。羅生門で繰り広げられる葛藤も見逃せない。特に人間不信に陥った杣売りが人間らしさを取り戻すラストで心に希望の灯がともる。
蛇足だが、本作が角川映画発売であるのは、黒澤監督が大映で撮った作品だからである。
・「快挙です。」
東宝は商売にならないから七人に侍を完全復元するこをためらい、角川は文化的観点から商売を度外視して完全復元を行いました。あっぱれです。Blu-rayを比べれば一目瞭然、羅生門は本当に完全復元です。公開時のフィルムよりも解像度は優れているかとも思えるほどの仕上がりです。こういうことが可能なのですね。本当にびっくりものです。
・「やる気になればできるんだね〜!」
ここまで美しく再現できてしまうとは!Good Jobとしか言いようがない。素晴らしいです。元々、この映画は音声はあんまり良くない。DVD版等だと、字幕付きで見ないと何をしゃべっているのかよく分からなかったのだが、このBDだと、ちゃんと聞き取れますね。願わくば全ての黒澤作品を『羅生門デジタル完全版』と同様にBD化して欲しいですね。ついでに、賛否両論有ると思いますが、ハリウッドの技術力で『カラー』にできないもんですかね。黒澤さん怒るかもしれないけど、私は見てみたい(^_^;)
・「黒澤明を神格化しないために、あえて」
戦後の世相の混乱を実体験している人が公開時にみた評価と、グランプリをとった「名画」としてみる世代では、評価が割れるでしょうね。デジタル復元版を劇場で観ましたが、どうせならネガが焼失した「東京物語」を先に復元してほしかった。この映画を久しぶりに再見すると、映像美は素晴らしいですが、話はどうも。樵が森に入っていく冒頭も、別に森の出口で薪を拾えばいいのに……と思うと話に入っていけません。2度3度見る映画じゃないですね。雨に墨汁を混ぜたって話も、本当かな、と思いました。
・「何度見ても涙が止まりません。」
黒澤作品は元々好きで全作品見ましたが、私の個人的なベストです。
主人公が胃癌に気付いてから、「生きる」ことを模索する前半。酒に溺れ、娯楽に走り、夜の歓楽街、クラブ、ストリップ劇場巡り、女遊び、そして何よりの生きがいだった息子。全てが上手くいかず虚無感におそわれます。 そして「生きる」ことの希望を役所の仕事に見出だす後半。全てのエピソードが秀逸で飽きさせません。
映像的にも余分なセリフ、シーンは削りながらも、状況を理解するのに充分余韻があります。
また役者が巧いのは言うまでもありませんが、小さく映り込んでいる役者一人一人の感情の機微までしっかり表現されています。特に後半の通夜のシーンは圧巻。遺影を囲む誰もが人間らしく感情移入できます。
この映画のマイナス面を語ることは不粋。それ程までに、大傑作です。
・「仕事を、人生を考えようという時みんなに振り返って欲しい作品。」
一昨年の秋にテレビ版リメイクが放送されましたので、そちらをご覧になって「じゃあ本家も観てみようかな」と思った方、ぜひぜひどうぞ。
そうでない方、「50年以上前の白黒映画、それも『奥さんに先立たれ、一人息子には相手にされず、つまんない仕事を毎日やる気なくさばいているさえないおっさんが末期ガンで死んでいく辛気臭い話』なんて観たくないお!」と思った方も、ぜひ観ましょう。 自分と同世代だとあまり観ている人がいないのも残念なのですが、30代前半くらいでまだ両親とも健在という人(自分を含めて)は、この課長さんをはじめとしたやる気皆無な『生きたまま死んでいる』人にはなるまい、と観れば思うことでしょう。 どちらかというと、課長さんの息子・光男さんとその奥さんのように家族を結果的に絶望させるようなことは絶対にするまい、と感じる人も多いんじゃないかな。 もし語られていない後日談があるのだとしたら、光男さんと奥さんが、そして課長さんに本当に生きるきっかけを与えてくれた小田切さんが、その後どんな人生を送ったのだろうか、とも考えます。
もちろん、リアルな1950年代前半の風景やあの時代の人の立ち居振る舞いを見るだけでも楽しめると思います。課長さんが「女物の靴下ってどこに売っているんだね?」と聞くのを観て、当時はおじさんの世界と若い娘さんの世界は重なっている部分は少なかったことや、当時の日本は軽工業品の生産と輸出で産業を少しずつ再生していっていた状態だったということもよくわかります。
観る人それぞれに、人生について、仕事について考えるきっかけをくれるであろう、そんな映画です。
・「映画の教科書」
黒沢明の最高傑作であり、映画の教科書的作品でもある。この映画を見てピンと来なかったらあなたには映画的センスが無いから映画を見るのをおやめなさいと言ってもいいくらいの作品。この映画がなぜ名作なのか?「人間が生きる意味」を問うた作品だから?官僚批判だから?もちろんそれも大きな要素ではあるが、何よりもこの映画は映像作品として完成度が高いからだ。開幕、いきなり胃がんのレントゲン写真で始まる。映像ならではの開幕だ。小説ではこんな書き出しはできない。観客は主人公が末期癌であることを知っているわけだから普通の構成では興味を失ってしまう。だからいきなり主人公通夜の席に場面が飛ぶ。このジャンプショットの見事さ。構成の凄さ。回想により断片的に語られる主人公のその後は主人公に残された時間が無い事を知っている観客とそれを知らない登場人物たちとの間にギャップを生じさせることで観客の感情移入を即す効果を上げる。さらにあらゆる場面でちりばめられている対位法の素晴らしさ。主人公が残された時間を生きる目的を見つけた瞬間に流れる「ハッピーバースディー」は主人公が改めて生きなおす瞬間を祝福する演出効果となっている(現実にはそんな音楽が流れないので、女学生のカットを入れているのだよ。死にゆく初老の男とこれから人生を謳歌しようとする女学生との対比でもある。いじわるなんかじゃねぇーの)。この真逆がダンスホールでの「ゴンドラの歌」だ。華やかなダンスホールで客が引いてしまうほどの哀しい声で歌う主人公。華やかであればある程主人公の絶望感が観客に響く。そしてこの場面があるがこそのラストのブランコでの「ゴンドラの歌」なのだ。この対が深い感動を呼ぶのだ。同じ歌でも絶望と達成感とこのブランコをこれから使うであろう子供たちへの希望を想像することによってまるで違う聞こえ方がするのだ。ブランコと初老の男という表現そのものも対位法なのだ。緻密な映像演出と役者の好演、普遍的なテーマと社会性、まさに映画の教科書のような作品なのだ、これは。最高級の芸術だよこれは。国宝だよ。
・「ラスト数十分の集団劇にこそこの映画の凄みを感じる。」
この映画の一番凄いのは、志村喬演ずる市民課長の主人公が癌で死んだ後で、残された人々・・・・上は市の助役から、他課のトップ、部下たち、そして直接の遺族、更には・・・あ、コレはさすがにネタバレ避けます・・・との間で延々わされる、故人をしのんでのやりとりと、それら個々の人が思い出していく、生前の主人公の振る舞いにつの回想をクロスカッティング的に差し挟みながら(厳密には「クロスカッティング」とは、同時進行の別のシーンを行き来する場合らしいが)進んでいく「最後の40分」(全体では2時間半の映画である)に尽きると思う。
このことは映画通には知れ渡ったことで、映画の作劇術の鮮やかさについては語り尽くされてもいるようだけれども、私なりの言葉で書いてみたい。
ここでなされる対話の辛辣なリアリズムにはほんとうに舌を巻くしかない。これだけ大人数の役者が重ねる議論、ちゃんとひとりひとりの立場と性格の違いまで完璧に計算され尽くしている。脚本術の高さという点では想像を絶すると思う。
話がひとつの方向に収束してみんな納得するという流れにはなかなかならないのだ。繰り返し繰り返し、そこに集う「お役所公務員」の骨の髄まで食いいった、「職場で勤め上げようとすれは、何もしちゃいけない」という適応スタイル、他部署との縄張り意識、選挙対策まで持ち出す「一見もっともらしい状況分析」が、いやらしいまで議論を元の木阿弥にしてしまおうとする。
ほんとうにお通夜の席で、このような、ほんとうにうねうねとしたやり取りが延々と続いていても何もおかしくはないというくらいにリアルである。
この、集団での対話の異様な生々しさの背景には、この映画製作直前の時期まで続いた東宝の労働争議を目の当たりにした中で、黒澤をはじめとした製作スタッフが肌身に染みて感じた事柄も、ダイレクトに反映しているのかもしれない。
もとより、こうした寄せては返すような膠着スレスレの対話を重ねる中で、それぞれの周囲の人物の中に残っていた、忘れかけていた記憶の断片が蘇り、皆の中でシェアされていくうちに、ジグソーパズルは徐々に完成され、故人の生き様とその動機が何だったのかについて、やっとひとつの立体的な像を結び始める。
遺された人々の記憶を寄せ集めて、共有する中で、はじめて故人の「生きる」姿が再建されるのである。
もとより、それすら、その後に続くあのようなエンディングという形でしか描かないあたりにこそ、それは観客ひとりひとりの「生きる」あり方の問題ということを最後に突きつけているのだと思う。
・「現代社会を生きる日本人にこそ観て欲しい日本映画」
作品評価以前の問題ですが、正直言って、50年以上の時を経た今も、日本も日本社会も本質的に何ら変わっていないことに驚愕しました。
戦後、経済成長に生きた日本でしたが、今となっては、それは「表面的=経済的な豊かさ」に過ぎず、人間がしあわせに生きる原点である「心の豊かさ」を失ったと感じます。加えて言うと、「お役所仕事」や「お役人」の進歩・改善の無さです。一体どこが民主主義国家なのか、どこが先進国なのかさっぱりわかりません。日本人全員が回転し続ける日本国の歯車にうまく噛み合わなければならず、私達の人生はベルト・コンベアで流されるひとつの部品にすぎません。それを一歩でも踏み外すと、国からも社会からも学校からも「落ちこぼれ=規格外品」になり、JISマークがつかない人間になってしまう次第です。今となっては、この作品の主人公のように「死」を目前にして、人間の尊厳に目覚める人も少ないと思います。そういった人達が多ければ、日本という国はもっと良い国になっていたと思います。
厳しく言うと、この映画を観て感動したという人達があまりにも多すぎて驚きました。しかし敢えて安易に感動してはいけない作品だと思います。この作品は黒澤監督の痛烈な「戦後の日本社会批判」だと判断したからです。日本という国、そして日本社会を良くするためには、市井の人達が「NO!!」と言う勇気をもって立ち上がらなければ、日本の未来はありません。そもそも日本と日本社会は、まず「NO!!」と言う人、そして貧しい人々には優しくない国であり、真っ先に切り捨てられる人種だと感じます。だったら、江戸時代とどこが違うのか・・・。それ故、現代社会に生きる人々は生まれた時から「生きながらも死んでいる」のです。私の身近な人達を見回しても、生き生きしている人などおらず、自分自身に妥協して「長い物にまかれ」惰性で生きているあり様です。それを自覚している人達もいますが、解決策としては、諦観の人生を全うする他なく、後は日本人をやめるか、生きることをやめるかです。
そもそも人間は生まれた時点から死に向かって歩いているわけで、人間ひとりの「命」ましてや「人生」などはかなく、地球規模で考えるととるに足らない、ちっぽけなものです。しかし、ひとりひとりの人間が己の人生をみつめ直し、それにささやかな尊厳を与えることが自分が生きた証であり、それが人間的に生きられる良い社会や国へと繋がると信じます。
さすがドストエフスキーを愛した黒澤監督。改めて、世界のKUROSAWAの底力を思い知らされました。「七人の侍」は、黒澤監督の人生哲学と映画の娯楽性との幸福な出会いだと評価しますが、この作品は社会派黒澤監督のルーツとも言える決定的な作品でしょう。私は「七人の侍」も立派な社会派映画として評価しますが。
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